Bシードの日本航空石川(石川)は27日の開会式で、マネジャーの鋳山直(いかけやま・すなお)さん(2年)がプラカードを持ち、ウィングの兄・佳成(3年)とともに行進し、兄妹で聖地に立った。航空石川は30日の2回戦で、城東(徳島)と対戦する。
聖地・花園で、兄妹の夢がかなった。日本航空石川のキャビンアテンダント専攻で学ぶ鋳山直さんは、部員54人の中でただ1人のマネジャー。「プラカードを持って開会式に出ることはあこがれでした。初めてグラウンドを歩いて『やっぱりいいな』と思いました」と笑みをこぼした。大会直前の登録変更でメンバー入りした兄・佳成も、初めて花園第1グラウンドの芝生を踏み「少しは親孝行できたと思う」と喜びをかみしめた。
6年前、2人の兄で航空石川ラグビー部OBの聖央(さとちか)さん(24)が花園に出場した。当時スタンドで応援していた2人は、現在はパイロットとして活躍する兄の雄姿に将来の自分たちの姿を重ねた。
佳成は石川・中能登中ではバスケ部だったが、航空整備士を目指していたことと「強い部活に入って文武両道を目指したかった」ため、航空石川入学後にラグビーを始めた。全国から有望選手が集まる強豪チームで「最初は下手でルールも分からなかったが、みんなに一から教えてもらった」と努力を重ねた。
2年時にはニュージーランドに半年間留学。本場のラグビーを学び、急成長した。「チームは日本一を目標に掲げている。自分も試合に出られるチャンスがあれば、悔いのないよう頑張りたい」と最初で最後の夢舞台へ意気込んだ。
CAを目指す直さんは「みんなのスイッチが入って『やるぞ』となっているのを目の前で見られるのが一番楽しみ」と初戦を心待ちにする。もちろん、1学年上の兄の花園での雄姿も「見たいです」とその活躍を願った。(勝田 成紀)