菊池涼は悲観する必要はない 谷繁、稲葉のように日本を代表する選手に 

残留を決めた広島・菊池涼介内野手
残留を決めた広島・菊池涼介内野手

 ポスティングシステムでメジャー移籍を目指した広島の菊池涼介二塁手(29)が、残留を決めた。11月8日に申請発表の際に「菊池はメジャーで通用するか」として次のような原稿を書いた。

 メジャーに飛び込んだ野手のうち、外野手ではイチロー、松井秀喜らが結果を残しているのに対し、過去8人を数える内野手組は厳しい試練が待ち受けていた。それは多くの野球ファンが知るところだ。そのうち、最も1年目から対応したのは2005年、ダイエーからWソックス入りした井口資仁二塁手。レギュラーシーズン135試合に出場し、打率2割7分8厘、15本塁打、71打点、15盗塁。守備だけでなく攻撃面でも及第点の活躍で、チームのワールドシリーズ(WS)優勝にも大きく貢献した。

 当時はまだ、メジャー球団が内野手に求める部分で、守備のウエートも大きかった。だが、本塁打が飛び交って打撃戦が急増してきた現在のメジャーでは、最低限の守備は必要だが、要求されるのはバッティングといえる。

 二塁手に関して言えば、WSに出場したナショナルズのケンドリックは3割4分4厘、17本塁打(FAで今オフ残留)、一方のアストロズのアルテューベは2割9分8厘で31本塁打をマーク。2人ともリーグ優勝決定シリーズでMVPに輝いたのは記憶に新しい。地区シリーズ進出8チームに広げても、守備がメーンの二塁手はゴールドグラブにも輝いたカージナルスのウォン(2割8分5厘、11本塁打)ぐらいしかいない。

 さて、数々のアクロバティックなプレーで、日本プロ野球史上で守備だけなら最高ではないかと言われる菊池。プレミア12でも12打数6安打と渋い打撃を見せている。かつて挑戦した内野手が苦労した塁上でのコンタクトプレーは、厳しくなったコリジョンルールで減ってきており、守備は問題ないかと思われる。あとは、150キロを越える本格派や、微妙に変化するボールを投げ込む投手たちに対して、どこまで好打を披露できるかにかかっているといえそうだ。

 と、期待していたのだが、残留を表明した。やはり打撃面での評価が低かったのかもしれない。ただし、渡米を断念しても悲観することはない。2001年オフに谷繁元信捕手、2004年オフには稲葉篤紀外野手が、FAでメジャーを目指すも条件が合わず断念した。しかし、中日に移籍した谷繁はNPB記録の通算3021試合出場した名捕手に、日本ハムに移った稲葉も首位打者に2000安打もクリアし、今や侍ジャパンの監督だ。

 渡米したものの、メジャーの壁にぶつかってキャリアを台無しにした選手も少なくない。菊池にはNPBを代表する二塁手として、広島だけでなく、日本のファンを楽しませ続けて欲しいものだ。

 蛭間豊章(ベースボール・アナリスト)

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