【二宮寿朗の週刊文蹴】森保監督「兼任」は「堅忍」だけでは乗り切れない

森保一監督
森保一監督

 森保一監督への風当たりが強まっている。先月、東京五輪代表のU―22コロンビア戦とA代表のベネズエラ戦でともに完敗。東京五輪世代中心で臨んだ東アジアE―1選手権の韓国戦も見せ場なく力負けしたことで、兼任継続に否定的な見方まで出ている。

 兼任なのだから、どちらかに専念できないデメリットは確かにある。だが、兼任監督は時代の要請だと筆者は考える。海外組で占めるようになった今、長距離移動や時差のコンディション調整に時間を割くとなると、戦術をなかなか深めていけない現状がある。過密スケジュールに伴い、試合以外で強化キャンプを張ることもできない。強化に充てる時間が少なくなっている以上、アンダー世代からタッチすることは解決策の一つになるからだ。

 しかし、森保監督がそのメリットを生かし切れているとは言えない。メンバーの融合こそ図っていても、戦術やコンセプトの融合が追いついていない印象を受ける。3バックの東京五輪代表、4バックのA代表と基本フォーメーションも違う。

 指揮官が思い描くチームづくりの進め方はもちろんあるだろう。しかし、停滞期にこそ変化の一策は必要になってくる。選手に臨機応変を求めるのであれば、監督自身がその姿勢を見せていかなければならない。融合というのであれば、次のステップに向かう道筋を示していかなければならない。「堅忍」だけでは、吹きつける風をはね返すことはできないのだから。

 日本協会にも同様のことが言える。兼任を託した以上、相応のサポートをしていく責任がある。コーチやスタッフについてもさらなる充実を図るべき。融合を後押しする体制を整え、兼任を成功させる手を尽くしてほしい。

 さて、2年10か月にわたって連載させていただいた当コラムは今回をもって終了することになりました。ご愛読いただき、誠にありがとうございました。(スポーツライター)

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