【箱根ヘの道】明大・阿部弘輝主将、100周年大会で「必ずシード」

スピード練習で汗を流す明大・阿部主将(カメラ・頓所 美代子)
スピード練習で汗を流す明大・阿部主将(カメラ・頓所 美代子)

◆明大 前回17位(2年連続61回目)予選会4位 出雲不出場 全日本15位

 1920年、箱根駅伝は東京高等師範学校(東京高師)、明大、早大、慶大のわずか4校の出場で始まった。当時の大会名称は「四大校駅伝競走」。その4校は東京高師の流れをくむ筑波大を含めて「オリジナル4」と呼ばれる。100周年の記念すべき大会に明大のエース兼主将として臨む阿部弘輝(4年)は、古豪復活へ熱い思いを明かす。

 オリジナル4の一角。優勝7回を誇る古豪、明大のエース阿部は主将として冷静に箱根路を見据えている。7月、「学生の五輪」といわれるユニバーシアードの1万メートルで銀メダルを獲得したが、その後、股関節痛などに苦しみ、予選会(10月26日)と全日本大学駅伝(11月3日)を欠場した。「まだ本調子ではないが、箱根駅伝本番では8割に戻したい」と静かに語る。

 “私欲”を捨て、今はフォア・ザ・チームに徹する。阿部が戦線離脱中、福島・学法石川高時代のチームメートで、現在は同じ主将兼エースの立場の東洋大・相沢が出雲駅伝(10月14日)、全日本大学駅伝で区間新記録を連発した。

 「相沢は2区で日本人最高記録(1時間6分45秒=19年順大・塩尻和也)を更新すると思う。今の僕が2区を走っても歯が立たない。ベストの調子なら、どんな勝負ができるのか、という思いもあるので、故障したことは悔しい。でも、今は個人的なことよりチームが大事。1区で、いい流れを持ってくる仕事をしたい」

 もちろん、ずっと引き下がるつもりもない。「卒業後、対決するチャンスはいくらでもある。勝負は始まったばかり。相沢は本当に強いが、僕も自分の力を信じている。僕は相沢を生涯のライバルと思っています」と、きっぱりと話す。

 走れない日々が続いた夏、同じ状況の後輩を集め“故障者ミーティング”を頻繁に行った。「走れない時に何をすればいいのか、気持ちを絶対に切らさないなど、多くを話し合った。夏は故障していた1年の櫛田と加藤が復帰して登録メンバーに入ったことはうれしい」と笑顔で話す。山本佑樹監督(42)は「チーム全体をよく見ている。さすが主将です。1区とは断言できないが、主要区間を任せます」と全幅の信頼を置く。

  • 古豪復活へ意気込む明大メンバー

    古豪復活へ意気込む明大メンバー

 明大ラストランにかける思いは強い。「この4年間、Mの誇りを胸に走ってきた。最後、必ずシード権を取ります」と5年ぶりのシードを置き土産とすることを誓う。大正、昭和、平成と脈々とつながれてきた紫紺のタスキ。令和最初の箱根路で、阿部は母校と自分自身、それぞれの復活の第一歩を踏み出す。(竹内 達朗)

 ◆阿部 弘輝(あべ・ひろき)1997年11月19日、福島・須賀川市生まれ。22歳。仁井田中2年から陸上を始める。強豪の学法石川高で全国高校駅伝2年6区4位、3年1区10位。2016年、明大政治経済学部入学。1万メートル自己ベストの27分56秒45は日本人学生歴代13位。卒業後は渡辺康幸監督(46)が率いる住友電工で世界を目指す。172センチ、55キロ。

 ◆明大 1907年創部。20年の第1回箱根駅伝に出場した4校のうちの1校で「オリジナル4」と呼ばれる。総合優勝7回を誇るが、最後の栄冠は49年大会までさかのぼる。出雲駅伝は最高7位(2011、13年)、全日本大学駅伝は最高2位(14年)。タスキの色は紫紺。長距離部員は49人。「陸上競技部」ではなく「競走部」を正式名称としている。主なOBは15年北京世界陸上1万メートル代表の鎧坂哲哉(旭化成)ら。

 ◆戦力分析 選手層は確実に厚みを増している。前回2~4区を担った中島大就、阿部、三輪の主力最上級生を予選会で欠いたが、2年の手嶋が積極的な走りを見せて個人9位でチームトップ。1年の櫛田と小沢もチーム2、4位に続いた。「十分にシードを狙える。上位も目指せる」と山本監督はうなずく。

  • 明大戦力分析

    明大戦力分析

 中島は回復が間に合わなかったが、阿部、三輪は無事に登録メンバー入り。1区の阿部が実力を発揮し、好スタートを切れれば、5年ぶりのシードは見えてくる。2区、あるいは5区候補の鈴木の踏ん張りが鍵となりそうだ。

スピード練習で汗を流す明大・阿部主将(カメラ・頓所 美代子)
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