【箱根への道】早大・吉田匠、のクリスマスイブの悪夢払拭…前回は交通事故で走れず

箱根本番での躍進を誓いジャンプする早大・吉田匠(カメラ・泉 貫太)
箱根本番での躍進を誓いジャンプする早大・吉田匠(カメラ・泉 貫太)
早大
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◆早大 前回12位(44年連続89回目)予選会9位 出雲不出場 全日本6位

 第96回箱根駅伝(来年1月2、3日)でシード権(10位以内)奪回を目指す早大が21日、埼玉・所沢市のキャンパスで練習を公開した。前回、5区に出場予定だった吉田匠(3年)は昨年12月24日に交通事故に遭い、全治1か月半の重傷で無念の欠場。突然、主力を欠いた名門は12位に終わり、13年ぶりにシード権を逃した。次期主将就任が決まっている吉田は、前回の悪夢を払拭する快走を期す。

 1年前、早大の切り札として期待されていた吉田は、悪夢のクリスマスイブを過ごした。昨年12月24日、昼すぎに練習が終わり、午後の自由時間。所沢市の選手寮から自転車で狭山ケ丘駅に向かう途中、乗用車との接触事故に遭った。

 「車にひかれました」と吉田本人から電話を受けた相楽豊監督(39)は、顔が真っ青になった。左肋骨(ろっこつ)を2本骨折、全治1か月半の重傷だった。「命に別条がなく、最悪の事態は避けられたことは本当に良かったが、箱根駅伝で大きな誤算が生じた。5区に期待して、控え選手の準備はほとんどしていなかった」と指揮官は振り返る。吉田の欠場が響き、早大は往路15位に沈み総合12位。13年ぶりにシード権を逃した。

 それから1年。来季の主将就任が決まっている吉田は、静かにリベンジに燃える。

 「交通事故は自分の不注意でもありました。箱根駅伝を走れない悔しさより、チームが苦戦した悔しさの方が大きかった。今回は絶対にチームに貢献したい。チームは3位以内を目標に掲げている。そのために5区で区間3位以内で走りたい」

 公式アンケートでは今大会の抱負を「3年目の正直」と書き込んだ。2年前は8区に登録されていたが、前日に交代を告げられた。走れる状況になかった1年前は交代前提の“偵察要員”として2区に登録された。「1年の時も2年の時も、両親はずっと前から宿を予約して箱根駅伝の応援に来てくれた。今度こそ走っている姿を見せたい」。京都・木津川市出身の吉田は、故郷の親を思いやるように話す。

 今季、雪辱を胸に練習を重ね、成長を遂げた。得意種目の3000メートル障害では5月の関東学生で3位、6月の日本選手権では10位と健闘した。「夏もこれまでで一番走り込んだ」。先週、右くるぶし付近の違和感のため3回、ポイント練習を回避したが、22日から再開する予定。「本番には100%、調子を合わせます」ときっぱり話す。趣味はサイクリングだが、万全を期し先週から自転車の使用を封印。クリスマスの悪夢を吹き飛ばす時が迫っている。(竹内 達朗)

 ◆吉田 匠(よしだ・たくみ)1999年3月25日、京都・木津川市生まれ。20歳。泉川中1年から陸上を始める。洛南高時代、全国高校駅伝で2年3区9位、3年3区6位と安定した成績を残した。2017年、早大スポーツ科学部入学。今年10月、3年生同士の話し合いで来季の主将就任が決まった。趣味はサイクリング、特技はサッカー。172センチ、57キロ。

 ◆早大 1914年創部。箱根駅伝は20年の第1回から出場。優勝13回。出雲駅伝は優勝2回、全日本大学駅伝は優勝5回。2010年度には学生駅伝3冠を達成。タスキの色はえんじ。長距離部員は選手34人、学生スタッフ16人。主な競走部OBは日本陸連長距離・マラソン強化戦略プロジェクトリーダーの瀬古利彦氏、男子マラソン日本記録保持者の大迫傑(ナイキ)。

 ◆戦力分析 13年ぶりに参戦を余儀なくされた予選会(10月26日)で9位と苦戦したが、その翌日のミーティングでチームの雰囲気は一変した。「練習以外の部分を見直した。指摘し合った」と太田智主将。中7日の強行日程だった全日本大学駅伝(11月3日)では6位と存在感を示した。

 エースでもある太田智は故障上がりで臨んだ前回、2区21位と大苦戦したが、2年時には2区6位と好走している。前回1区4位の中谷ともに序盤に良い流れをつくりたい。17、18年大会は3位で前回は12位。名門・早大の全選手が「目標は3位」とV字復活を誓う。

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