新事実か? 藤波辰爾の88年・飛龍革命を長州力がその場で目撃していた!?…金曜8時のプロレスコラム

楽屋での(左から)長州力、ユリオカ超特Q、藤波辰爾
楽屋での(左から)長州力、ユリオカ超特Q、藤波辰爾

 かつて“名勝負数え唄”を繰り広げた藤波辰爾(65)と長州力(67)のトークバトルで新説が飛び出した。今月13日に東京・台東区の東洋館(浅草フランス座演芸場)で開催された「“熱闘”フルスイングトーク イヤーエンド in 東洋館 藤波辰爾VS長州力」でのことだ。

 今年6月26日の「POWER HALL2019~New Journey Begins」(後楽園ホール)で引退した長州と、来年1月4日の「WRESTLE KINGDOM14 in 東京ドーム」で14年ぶりに古巣・新日本プロレスに参戦する藤波。節目の両雄を対面させたのは、プロレスグッズを展開するチームフルスイング(利根川亘代表)で、司会進行は“藤波辰爾芸人”の第一人者、ユリオカ超特Q(51)が務めた。

 本番前に楽屋へあいさつに行ったが、控え室は別々。ジャケットにタートルネック姿できめた藤波に対して、長州はハローキティの上下スエットというラフなスタイル。「コメントは藤波さんに聞いてください」と言葉遣いは丁寧ながらも、あまり過去のプロレスにつては語りたがらない雰囲気を出しまくっている長州。ユリオカに「大丈夫ですか?」と聞くと「いやー、何も決めてないんです。プロレス以外の話ばかりになるかも。ぶっつけ本番です」と緊張の色を隠せなかった。

 だが、開けてみれば、芸人生活25周年のユリオカが見事に両者の持ち味を引き出し、札止めとなった200人限定の聴衆を満足させる60分1本勝負となった。ここでそのすべてを書くわけにはいかないが、こちらが期待した両雄の革命の瞬間について、聞くことができた。

 両雄の革命とは、1982年10月8日、東京・後楽園ホールでの長州の反乱と、1988年4月22日、沖縄・奥武山体育館(現・沖縄県立武道館)での藤波による飛龍革命だ。

 長州の反乱は、いわゆる“かませ犬事件”で、長州のメキシコからの凱旋帰国試合で、師匠・アントニオ猪木と藤波とトリオを結成し、ブッチャー軍団(アブドーラ・ザ・ブッチャー、バッドニュース・アレン、S・D・ジョーンズ)と対戦中、ライバル意識を燃やし合った藤波と長州が試合中に殴り合いの仲間割れをした名場面だ。

 藤波は「その時というのは、自分自身は意識もしなかったけど、長州が凱旋帰国したということで、自分の座がおびやかされるんじゃないかというのがあったんじゃないですかね。本来は試合中はそんなこと、ましてや猪木さんとタッグ組んで、猪木さんそっちのけで、やり合ったわけですから」

 長州はメキシコにいる時から革命を起こす気でいたのか。「何にもないですよ。まったく何にも考えてない。やっぱり、藤波さんはびっくりしたでしょう。何が起きたんだっていう」

 そう振られて「わりと鈍感な方なんで、事が起こってから、しばらくしないと自分でわからない方だから。エキサイトして、おかしいなって。でもね、やり合っているうちに、自分の思うような試合ができない、そんな中での、意識したことがあったのかな」と藤波。

 そして長州について「彼が持っているものを思う存分出してないなというのを猪木さんは見てたんでしょうね」と猪木の手のひらに乗せられていたことを再認識。

 長州は「やっぱり見てますよね。会長(猪木)は僕だけを見てたわけではないんでしょうけど、海外に出してもらって戻ってきて、会長の考えてるようにはなってないなという。あれがなかったら、たぶん、あの時点でどうなってたのか。好き勝手なことをさしてもらって、こうやって最後にリングを下りる(引退する)ことができたわけですから」と人生の転機についてしみじみと語り、「時代の後押しというのはありましたよね。あの頃は」と栄光の足跡を懐かしんだ。

 長州が珍しくプロレスを語った。いろんな話が続き、ユリオカのものまね芸でも有名な88年の飛龍革命に話は進んだ。沖縄でのタッグマッチで、猪木と組んで、マサ斎藤、ビッグバン・ベイダー組に惨敗した藤波は、控え室で猪木に「ベイダーとシングルでやらせてください」と訴えた。

 それは猪木をメインイベントの座から引きずり降ろすことを意味する直訴だった。猪木の「やれんのか?」という張り手に対して、張り手をやり返した藤波は、泣きながら前髪をハサミで切って覚悟を示した。

 ユリオカは「88年に藤波さんの飛龍革命というのがありまして、猪木さんに直談判するというね。長州さんはそのシーンは映像とかで見られたことはあるんですか?」と尋ねた。

 そこで長州は「俺はいましたね。いたんじゃないかな。あのひっぱたかれて、引っぱたき返したっていう。あれは俺は沖縄で、その場で見てんじゃないかな」

 藤波のものまねをするため、その時の映像をすり切れるほど見て研究しているユリオカは「さすがに控え室は別なんじゃないですか。会場にはいたでしょうけど」とあきれるように返した。

 藤波も「(映像では)坂口さんと木村健悟は、一瞬、何が起きたのかっていう(顔で映っている)」とユリオカ説を支持。

 だが長州は引かない。「それ映像だろ。俺は選手としていたから」と言い張る。ユリオカは「そうしたら、ものすごい歴史的事実が変わりますよ」と会場を爆笑の渦に包む。マニアのファンもユリオカ支持のようだ。

 長州は引かない。「控え室は別だけど、俺、見てるよね。俺ね、よーくやったな。殴り返したなっていう。ホントに。瞬間じゃない。パパンってやって。あの時、会長よろけてましたよね。まさか殴り返してこないだろうって思ってるから」

 藤波は「自分も気がついたら手が出てましたね」と手応えを懐かしみ、長州の話にうなずいた。この際、長州が見てたかどうかは、どうでもいい様子だ。

 納得がいかないユリオカは、「『家政婦は見た』みたいになってますよ。すごい情報が。長州さんがすべて見てたという。プロレスの歴史が変わりますよ」とうなった。飛龍革命をテーマにこれほど白熱したトークショーは初めてだ。その後の思い出話の途中にも、何の脈絡もなくユリオカは「見てないと思いますよ」というセリフを挟み込み、場内を爆笑させた。史実がわからなくなるのがプロレスラーの述懐だが、ユリオカのトークネタの幅が広がったことだけは事実だ。この話にどんどん尾ひれがついてファンタジー化していくことに期待したい。(酒井 隆之)

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