【箱根への道】駒大の規格外ルーキー田沢廉、出来過ぎびっくり

ストレッチしながらポーズをとる駒大・田沢(カメラ・宮崎 亮太)
ストレッチしながらポーズをとる駒大・田沢(カメラ・宮崎 亮太)

◆駒大 前回4位(54年連続54回目)出雲2位、全日本3位

 第96回箱根駅伝(来年1月2、3日)で学生3大駅伝単独最多となる22勝を狙う駒大が17日、世田谷区のキャンパスで練習を公開した。ゴールデンルーキー・田沢廉が今季の1万メートル日本人学生最速となる28分13秒21をマーク。11月の全日本大学駅伝でもエース集う7区で区間賞を獲得し、波に乗る。東京五輪男子マラソン代表に内定した中村匠吾(27)=富士通=に憧れる19歳が藤色のタスキを頂へと押し上げる。

 駒大に規格外のルーキーが現れた。田沢は「1年目としては出来過ぎてびっくりしている」と笑顔を見せるが、速さも強さも1年生の域を越えている。

 今春入学した1年生の中で、5000メートルの自己記録(13分53秒61)はトップ。しかし、船出は厳しかった。入学前の2月に雪の降る地元・青森での練習中に転倒。右手の薬指を骨折、左膝も打ち付けて練習できない日が続いた。さらに、入寮2日目にはインフルエンザを発症。「どんどん同じ学年の選手が走る中、焦りもあった。でも、やっぱり負けたくない」。悔しさをバネに夏合宿でもAチームで全ての練習をこなし、進化した。

 出雲3区2位、全日本7区1位と長い距離への適性を見せつけ、11月には1万メートルで今季日本人学生最高記録をマーク。チームの中核へと成長した男が憧れるのは、駒大の先輩でもある東京五輪男子マラソン代表の中村だ。五輪代表選考会MGC(マラソングランドチャンピオンシップ)も生観戦。一度だけ一緒に練習したことがあり「自分はきつくて何本か少なくしかこなせなかった。匠吾さんは『このぐらいは余裕だよ』と言っていて…。これだけ差があるのかと思い知った」。一方の中村は「1年目からこれだけ強い選手。箱根もいい走りをしてくれると思うし、楽しみですね」と期待を寄せる。

 大八木弘明監督(61)も「素質は中村匠吾クラス」と目を細める逸材。手足や膝下が長く、前傾の強いフォームは、青森山田高時代から「ケニア人みたい」と言われてきた。田沢は「これが自分の走り。けがもなく記録も出ている」と我が道を行き、結果を残した。初めての箱根路では3、4区を希望。「いずれは2区、そして匠吾さんのようにマラソンで活躍したい」。最強の挑戦者が、箱根路を熱くする。(太田 涼)

 ◆駒大 1964年創部。箱根駅伝には67年に初出場。総合優勝6回。全日本大学駅伝は優勝12回、出雲駅伝は優勝3回。学生3大駅伝通算21勝は日体大と並び歴代1位。2015年からOBで男子マラソン元日本記録保持者の藤田敦史コーチがスタッフに加わった。長距離部員は選手41人、学生スタッフ6人。タスキ色は藤色。主なOBに東京五輪男子マラソン代表の中村匠吾(富士通)ら。

 ◆田沢 廉(たざわ・れん)2000年11月11日、青森・八戸市生まれ。19歳。マラソン大会で負けた悔しさから、是川中1年時に始める。3年時に全中3000メートルで決勝に進出するも、最下位の18位。青森山田高では全国高校駅伝に3年連続出場。3年時のアジアジュニア5000メートルで銀メダル。駒大に進み、11月の八王子ロングディスタンス1万メートルで駒大歴代6位の28分13秒21をマーク。180センチ、60キロ。

  • 駒大の戦力チャート
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 ◆戦力分析 大八木監督は「3位以内が目標」と謙虚だが、16人の選手登録が万全にできた駒大は、間違いなく優勝争いに絡む。2年連続2区を走った山下一貴や今夏のユニバーシアード男子ハーフマラソン銀メダルの中村大聖(ともに4年)ら安定感のある上級生を中心に、往路で勢いに乗りそうだ。

 ハーフマラソンで63分切りの選手が8人と選手層は厚い。唯一の不安は9番手以降に1年生が多く、主力のけがなどに対応しづらい点だ。粘りが持ち味の小林歩(3年)ら、いぶし銀の走りができるランナーの配置も肝になる。

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