サニブラウン、リレー侍「金」のため100&200メートルW出場制限に異論「個人で頑張ってこそリレーへのやる気も上がる」

ドーハ世界陸上の男子400メートルリレー決勝で4走を務め、躍動感ある走りを見せたサニブラウン
ドーハ世界陸上の男子400メートルリレー決勝で4走を務め、躍動感ある走りを見せたサニブラウン

 日本陸連は16日、都内で理事会を開き、2020年東京五輪の100メートルと200メートル代表選考基準について「個人種目は原則として1種目のみとする」とする選考要項を提案した。金メダルを目標とする男子400メートルリレーのメンバーの負担軽減が目的で、来年3月までに結論を出す方針。リレーも含めた3種目での代表入りを目指すサニブラウン・ハキーム(20)=米フロリダ大=はこの日、都内で行われた日本陸連の年間表彰式に出席。方針に対し、異論を唱えた。

 異例の選考要項に、東京五輪を目指すスプリンターたちが揺れている。日本中から金メダルの期待が寄せられる男子400メートルリレー。麻場一徳強化委員長は「日程も厳しい。1種目に絞って、リレーに大きい力を発揮してほしい」と個人種目より“お家芸”となりつつあるリレーへの注力を求めた経緯を明かした。

 強化委員会内では約半年かけて議論が行われていた。引き金となったのは今秋のドーハ世界陸上だった。400メートルリレーではクリスチャン・コールマンやジャスティン・ガトリンらの種目を絞り、温存した米国が優勝。一方、強豪と見られていたカナダや中国は個人種目の負担もあり、負傷などのアクシデントに見舞われる事態となった。

 負担の大きい日程であることは事実だ。来年8月1日に始まる100メートル予選から同5日の200メートル決勝まで出場なら5日間で計6本を走る。リレーに出場すれば、6日の予選と7日の決勝の2本が追加される。さらに、100メートルの代表は必ずリレーメンバーに登録する必要があり、東京五輪では現行の6人から5人に減少。2人以上のけががあれば棄権もありうる。

 都内で取材に応じたサニブラウンはこの方針に対し「リレーは個人種目の二の次。(要項も)分からなくはないが、あくまで個人でメダルを取るために練習してきた。個人で頑張ってこそ、リレーへのやる気も上がる」と吐露した。

 同じく個人2種目での代表を見据えていた小池祐貴(24)=住友電工=も「2種目走って競技力が落ちるかどうかは、選手による。うまく走れる人もいると思うので、個々に相談するのがいいのでは」と話した。

 今後は高平慎士氏(35)を中心とするアスリート委員会と強化委員会で議論をしていく予定。高平氏は「引退した選手を中心に話し合い、年明けには強化委員会と場を持ちたい」と明かし、現役選手が要項作成には携わらないことを強調した。土江寛裕五輪強化コーチは「現場からの反発も覚悟の上。そこは分かってもらうしかない」と方針は崩さないつもりだ。

 悲願のリレー金メダルのために万全の状態を整えたい陸連と、個人種目での決勝進出に燃える選手たち。両者の思いも真っすぐなだけに慎重な議論が求められる。

 ◆陸上男子100&200メートル五輪への道 全体の出場枠は56で開催国枠はない。1つの国・地域からは最大3人まで出場できる。出場枠は原則、新設された世界ランキングの上位が獲得。19年7月1日から20年6月29日までに出した記録が対象となる。ランキングは、記録に応じて得られるポイントと大会の格付けに応じて定められた順位ポイントの2つを合計し、各選手上位5レース分の平均をとって算出する。

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