森保一監督、東京五輪とW杯予選へ「成長するために戦いたい」

ベンチから指示を出す森保監督
ベンチから指示を出す森保監督

◆東アジアEー1選手権 ▼第1戦 日本2―1中国(10日・釜山九徳総合運動場)

 日本が2―1で中国を下し白星発進した。シーズンを終えたばかりの国内組を編成し、準備期間2日でチームにする。A代表を狙う選手、20年東京五輪切符を目指す選手が混在。注目度、気温は低く、観客はまばら。前回大会ではバヒド・ハリルホジッチ監督の解任議論が進むきっかけとなった大会だ。試合後、森保一監督(51)が浮かべた笑みの裏側を、内田知宏キャップが読み解く。

 あまり動くことのない唇が大きく開いた。試合後、森保監督は「選手たちが練習する時間もない中、Jリーグも終わって、タフな戦いになった中、よくチームとして頑張ってくれた」と言って、少し表情を崩した。W杯予選で勝ったとき、または強豪相手に会心のゲームをしたときでも、いつも淡々と語る監督。白星発進に、抱えていた不安が晴れたようだった。

 空席が目立ち、寒さに体を丸める観客スタンドを見ると2年前の記憶がよみがえってくる。17年E―1選手権。バヒド・ハリルホジッチ監督率いる国内組は最終戦で韓国に1―4で惨敗し、2位に終わった。試合後、翌18年のロシアW杯メンバー入りを目指していた主力選手は言った。「監督は何も指示を出さない。試合すら見ていなかった。この大会に何の目的もなかった」

 実に難しい。Jリーグが閉幕し、オフに入る選手も多い。逆に海外組はシーズンまっただ中。協会は選手の拘束力を持たないため、国内組で編成せざるを得ない。岡田、ザック、ハリル・ジャパン(J)時代も同じだった。岡田Jは南アW杯への選考、ザックJはFW探しの目的を持った。国内組を酷評してきたハリルホジッチ監督は、試合をやっただけだった。

 目的と見返り。明確ならばチームは前を向く。森保一監督は目的を用意した。14人の東京五輪世代には「五輪切符」、9人のA代表たちには「W杯予選切符」への前進を。言葉だけで動くほど簡単な思考を持たない選手も、森保監督が就任から1年5か月で、数多くの国内組を起用した「実績」と合わせれば、走るし、戦う。「優勝」の見返りを信じられる。

 点と点で合わせたFW鈴木の躍動弾。CKを合わせた三浦のヘディング弾。個の力だけでは生まれにくい2点、そして準備2日の急造チームが序盤の主導権争いで我慢する姿に、森保監督の野心が広がっていくさまを見た。「勝つために戦いたいと思いますし、成長するために戦いたい」と同監督。東京五輪とW杯予選。それぞれの立場からの呼吸が、チームを作った。(内田 知宏)

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