【箱根への道】関東学生連合・阿部飛雄馬、東大から箱根の星に

先月の1万メートル記録会を力走する東大・阿部飛雄馬
先月の1万メートル記録会を力走する東大・阿部飛雄馬
関東学生連合
関東学生連合

◆関東学生連合 前回21位相当(オープン参加)

 箱根駅伝予選会(10月26日)で敗退した大学のエースたちが集う関東学生連合。オープン参加のため、順位はつかないが、母校と自身のプライドをかけて箱根路に挑む。東大の阿部飛雄馬(4年)は予選会ハーフマラソン個人成績を前回の224位から64位へ大幅に上げてメンバー入り。来春の卒業後は、大学院で「死生学」などを学ぶ文武両道ランナーは主将の大任も担う。元甲子園球児の父・孝さん(56)に命名された飛雄馬は「箱根の星」を目指す。

 プロランナーの川内優輝をはじめ多くの個性派ランナーを生んだ連合(旧選抜)チームに今回もインパクトある選手が加わった。その名も阿部飛雄馬。前回の近藤秀一(現GMOアスリーツ)に続いて東大の秀才ランナーが箱根路に臨む。

 「言い方が難しいですが、大学名にも注目していただきたい。限られた私立大だけではなく、東大からでも箱根駅伝に出られるということを中高生ランナーに知ってほしい」。阿部は爽やかな笑顔で話す。

 予選会の個人成績は1~3年は学内2位。各校1人だけというルールがある連合入りは1学年先輩の近藤に譲っていた。その強力な先輩が卒業した今回、最初で最後のチャンスをモノにした。季節外れの暑さの中、行われた予選会ハーフマラソンで昨年より1分9秒短縮。個人順位は224位から“160人ごぼう抜き”で64位に急上昇し、連合チームに6番手で選出された。4年目にしての急成長について「きょうはどんな練習をすべきか、自分の体調を見極めてベストの選択を1年間、続けることができた」と理路整然と説明する。

 11月に行われた初のチームミーティングでは満場一致で主将に任命された。「お互いの個性を尊重するチームをつくりたい」と引き締まった表情で話した。

 名作野球漫画「巨人の星」の主人公、星飛雄馬と同じ名前は、1980年夏の甲子園に山形南の一員としてベンチ入りした父・孝さんが命名した。「実家に全巻あります。小学生の頃、ここから名付けられたのか、と思った。でも、父に野球をやれ、と言われたことはないですね」と笑顔で話す。

 希望区間は8区。「人に夢を与える自分なりの『箱根への道』を! 東大と学生連合を箱根の歴史に刻み込む」。公式アンケートでは抱負を熱く書き込んだ。冷静かつ熱血。東大スクールカラーの淡青(ライトブルー)のような炎が飛雄馬の目に宿っている。(竹内 達朗)

 ◆阿部 飛雄馬(あべ・ひゅうま)1996年8月26日、岩手・滝沢市生まれ。23歳。小学5年から陸上を始める。盛岡一3年時に全国高校総体3000メートル障害に出場。一浪を経て2016年に東大入学。現在は教育学部総合教育科学科4年。来年は東大大学院に進学。趣味は哲学書と漫画を読むこと。168センチ、52キロ。

 ◆関東学生連合 2003~13年に編成された関東学連選抜を改め、15年に再結成。予選会で敗退した大学の中から個人成績を参考に編成される。各校1人で外国人留学生を除く。94回大会から本戦出場経験がない選手に資格が改められたため全員が初出場となる。チーム、個人とも順位がつかないオープン参加。07~13年は公式記録が認められており、最高成績は08年の4位。タスキの色は白。

 ◆戦力分析 近年の連合チームで恒例となっていた選考レースを行わないことが選手の総意で決まった。11月の初ミーティングで登録選手16人全員が、他の20校と同様に首脳陣が練習の流れや体調を見極めて出場選手を決定することを熱望。2年連続で連合を率いる麗沢大の山川達也監督(35)は「選手の気持ちに応えてベストメンバー10人を選ぶ」と話す。

 予選会でまさかの敗退を喫した大東大の吉井、育英大初の箱根ランナーとなる外山ら各校のエースたちの「意地」が期待される。正式な順位はつかないが、チーム一丸で“上位”を狙う。

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