【箱根への道】青学大・新号、父の盟友両角監督の東海大から王座奪還

30キロ単独走で鍛える青学大・新号。箱根へ向け気迫のこもった走りを見せた(後方は神林=カメラ・清水 武)
30キロ単独走で鍛える青学大・新号。箱根へ向け気迫のこもった走りを見せた(後方は神林=カメラ・清水 武)

◆青学大 前回2位(12年連続25回目) 出雲5位、全日本2位

 1920年に第1回大会が行われた箱根駅伝は、来年1月2、3日開催の第96回大会で100周年を迎える(戦争のため5回中止)。記念すべき大会に向けて「箱根への道」特別編として出場全21チームの紹介を日替わりで連載する。第1回は2年ぶり5度目の優勝を目指す青学大。注目は急成長中の新号健志(3年)だ。父・和政さん(53)は東海大・両角速監督(53)の盟友で88年箱根駅伝ではタスキをつないだ仲。ライバル校の指揮官と因縁を持つ男が青学大の王座奪還の切り札となる。

 青学大の走りに勢いが出てきた。千葉・富津市内の起伏の厳しいコースで行われた30キロ単独走。選抜合宿に参加した18人中17人が原晋監督(52)の設定タイムより速くゴールした。「必勝パターンになってきた」と指揮官はうなずく。調子が上向きのチームの中で、ひときわ力強い足音を響かせていたのが新号だ。体重68・6キロは駅伝選手としては異例の“ヘビー級”。「風にも負けず、終盤も粘れることが持ち味です」。強い風が吹くことが多い箱根路への初参戦に意欲を示した。

 「今回は東海大の1強。挑戦者として立ち向かう」と原監督は表情を引き締めて話す。今季、急成長し、秘密兵器として期待される新号は、その東海大を率いる両角監督と因縁がある。

 父・和政さんは東海大で両角監督と同期で、ともに4年連続で箱根駅伝に出場。3年時には両角監督が1区、和政さんが2区でタスキをつないだ。「小学生の頃、毎年、沿道で箱根駅伝を見ていた。父と一緒に東海大を応援していた」と笑う。

 両角監督も新号の存在と実力を把握している。「オヤジと一緒で力強く走るタイプ。東海大に勧誘もした」と話す。秋田中央高時代、東海大を含め複数から勧誘される中、青学大進学を決めた新号は言う。「新しい取り組みを積極的に行っている青学大で走りたい、と思った。進路について父は自分で考えろ、としか言いませんでした」

 和政さんは高校時代、青学大の原監督とライバルだった。1984年の全国高校駅伝。秋田中央の和政さんは3区、広島・世羅の原監督は4区を走った。「中継所にトップでやってきた新号オヤジをよく覚えている。強かった。新号もオヤジのように駅伝男になってもらいたい」と原監督は期待を込めて話す。

 今季、新号は5000メートル、1万メートル、ハーフマラソンすべて自己ベストを更新。小さな記録会でも足しげく秋田から上京し、応援してくれる父への思いは強い。「箱根駅伝を走る姿を見せたい」と言葉に力を込めた。かつては応援していた東海大に勝つために箱根路を駆ける。(竹内 達朗)

 ◆新号 健志(しんごう・たけし)1998年12月18日、秋田市生まれ。20歳。小4の時、父の影響で陸上を始める。秋田中央高3年時に東北大会5000メートル8位。2017年、青学大国際政治経済学部入学。特技はクイズ、雑学。家族は両親。178センチ、68・6キロ。

 ◆青学大陸上競技部 1918年創部。箱根駅伝には43年に初出場。2004年に原監督が就任し、強化体制を整えた。09年に史上最長のブランク出場となる33年ぶり復帰。15年の初優勝から4連覇した。16年度は学生駅伝3冠。出雲駅伝優勝4回。全日本大学駅伝優勝2回。タスキの色はフレッシュグリーン。長距離部員は選手41人、学生スタッフ14人。主な陸上部OBはプロランナーの神野大地ら。

 ◆戦力分析 春先、強気で鳴らす原監督が「シード権も危ない」と弱音を漏らすことがあった。しかし、危機感を持って迎えた夏合宿でチームは一変。「優勝を争える状態になった」と指揮官は胸を張る。昨季3大駅伝すべて区間賞の吉田圭(3年)、前回8区2位の飯田(2年)は今季、さらに成長。岸本(1年)、早田(2年)、新号ら新戦力も台頭した。
 鈴木主将、箱根未経験の中村友、吉田祐、谷野ら最上級生が奮起すればV奪回は見えてくる。原監督は期待を込めて語る。「学生スポーツのキモは、やっぱり4年生なんです」

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