井上尚弥、来年4月ベガスでカシメロ戦「ドネアより危険」

ミット打ちで汗を流す井上尚弥(カメラ・清水 武)
ミット打ちで汗を流す井上尚弥(カメラ・清水 武)

 WBAスーパー&IBF世界バンタム級王者・井上尚弥(26)=大橋=が9日、ボクシングの“聖地デビュー”に向けて本格始動した。先月7日のワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)優勝後、初のジムワークを開始。陣営が米興行会社大手トップランク社と契約後初の試合を来年4月、米ラスベガスで予定していることを明かしたうえで、本人は標的をWBO新王者のジョンリール・カシメロ(30)=フィリピン=に絞ったと明言。「カシメロはドネアより危険」としながらも勝算を口にした。

 リフレッシュ旅行のタヒチで日焼けした井上尚のシックスパックが、久々にリング上で躍動した。うっすら口ひげをたくわえた「ボディワイルド」なモンスター。ジムワーク再始動初日は、入念なシャドーボクシング、ミット打ちなど1時間近く汗をかいたが、WBSS決勝のノニト・ドネア(フィリピン)戦で負った右眼窩(がんか)底骨折の影響も見せない、軽快な動きだった。

 「折れている所をつつくと違和感はありますが、ダメージは抜けています。今週病院に行って検査を受けた後、スパーリングができる時期などを決めたい」と井上尚。練習を前に、大橋秀行会長(54)は次戦について「来年4月頃、ラスベガスで」と明言。井上尚は「その時から逆算して(強化日程を)決めたい。試合に2月に暖かい所でキャンプをしたいです」とプランを明かした。

 弟・拓真に判定勝ちしたWBC王者ウバーリ(フランス)、WBAでは1位のソリス(ベネズエラ)、スーパーバンタム級の元世界王者で同2位のリゴンドー(キューバ)ら「バンタム級は選手が集まって、いい具合に活発になってモチベーションが上がる」としたが「標的の第一はカシメロ。後は交渉次第ですが」とキッパリ。世界最速11秒KO男テテ(南アフリカ)を破ったWBO新王者は、ドネアと同じフィリピンのボクサー。世界3階級制覇で29勝(20KO)4敗の相手を「決まればドネアよりも危険」と警戒した。「(ドネアより)若いし、野獣的な勘があり、いい意味でバカ。怖いもの知らずという意味ですよ。ドネアより慎重になります」

 そう言いながらも「カシメロのボクシングは頭の中にインプットされている。前半しのげばメッキがボロボロとはがれる」と勝算を口にする。「自分のボクシングを貫くだけ。12回通して100%集中していける『井上尚弥のボクシング』を見せたい」。そう言って、口ひげとともに右の口角を少し上げた。(谷口 隆俊)

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