【カペラS】菜七子コパノキッキングで快勝! 女性騎手史上初のJRA平地重賞制覇

スポーツ報知
快挙達成のパートナー、コパノキッキングの鼻面をなでる菜七子

◆第12回カペラS・G3(12月8日、中山・ダート1200メートル、良)

 藤田菜七子騎手(22)=美浦・根本厩舎=が8日、中山競馬場で行われた第12回カペラS・G3で、2番人気のコパノキッキングに騎乗して2馬身半差の圧勝。同馬とのコンビで決めた10月の東京盃・交流G2での女性騎手初の交流重賞Vに続き、女性騎手史上初のJRA平地重賞制覇を達成した。

 砂ぼこり舞う激闘。コパノキッキングの本能を菜七子の右ステッキが呼び覚ました。「コパノキッキングが一番強いと思って乗っていた」。ラスト100メートルで相棒はさらにスピードアップ。レッドアネラをかわすと、もう敵はいない。58キロの斤量もものともせず、2着に2馬身半差をつける圧勝劇で、女性騎手史上初のJRA平地重賞Vを飾った。

 持ち味の好スタートから5番手につけると、4角は外を回して末脚を全開させた。ゴールを過ぎて勝利を確認すると、奮闘をねぎらうようにパートナーの首の後ろを左手でトンと叩いた。引き揚げる際には「菜七子頑張ったぞー!」、「おめでとー」と観衆の祝福の声がシャワーのように降り注ぎ、笑みを浮かべた。村山調教師からは「完璧に乗ってくれた」とこれ以上ない賛辞。キッキングとつかんだ9月の交流G2・東京盃以来の重賞2勝目に、涙はない。「追い出してからもしっかり一歩ずつ伸びてくれた。勝つことができてホッとしています」と興奮気味に白い息を吐き出した。

 中学時代から毎週木曜日に剣道部の練習を早退し、乗馬苑で騎乗技術に磨きをかけ、16年ぶりのJRA生え抜きの女性騎手に。今年3月に女性騎手に対する負担重量の減量制度導入の際には、「男性に負けたくない気持ちでやってきたので少し複雑」と本音を漏らした。6月に出演したテレビ朝日系「徹子の部屋」ではワンピースに身を包んだが、トレーニングを積んだ腕の筋肉はむきむきで、司会の黒柳徹子(86)がびっくりしたほど。まだまだ男社会の競馬界に飛び込む際に、“甘え”は捨てた。「女性だから」という特別扱いを好まず、同じ舞台に身を置く騎手として力を競い合うべく精進し、たどり着いた勲章だ。

 JRA女性騎手初のG1騎乗となった2月のフェブラリーS(5着)から6戦連続騎乗。「少しずつですけど、成長することができて本当に感謝しています」。馬主のDr.コパこと、小林祥晃氏や、厩舎関係者への感謝とともに、自らに手応えもある。これがJRA所属馬での99勝目。見習い卒業の101勝まであと2だ。

 紛れもなく菜七子が時代を切り開いている。現在、競馬学校には2人の女性が在籍。来春にはさらに3人が入学する。「ジョッキーを目指す女の子が『私も頑張ろう』と思ってもらえれば」。女性騎手として初の偉業を成し遂げ、次はまだ見ぬG1の頂点を目指す。(恩田 諭)

 ◆コパノキッキング 父スプリングアットラスト、母セラドン(父ゴールドヘイロー)。栗東・村山明厩舎所属のセン4歳。米・Rマクドナルド氏の生産。通算15戦9勝(うち地方4戦1勝)。総収得賞金は2億6460万9000円(うち地方6867万円)。主な勝ち鞍はカペラS・G3(18年)、根岸S・G3、東京盃・交流G2(ともに19年)。馬主は小林祥晃氏。

 <コパオーナー歓喜「完璧に乗った」>コパノキッキングを所有するDr.コパこと小林祥晃オーナーは、菜七子の騎乗をほめたたえた。「完璧に乗った。上手に外へ出して、去年より強かった。馬も良くなっているんだろうけど」と振り返った。

 今年2月のフェブラリーS(5着)以降、キッキングの手綱を菜七子に託し続け「2つ(重賞を)勝ってくれた。重賞を取らせたいというコパの夢がかないました。合格のオーナーですね」と自画自賛。今後のコンビ継続については「わがままを聞いてくれた。来年のことは明(村山調教師)が決めます」と、トレーナーにゆだねる方針だ。

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