オジュウの背中に最も似合う男 石神深一騎手の「深い思い」

オジュウチョウサン
オジュウチョウサン

 オジュウチョウサンの背中には、石神深一騎手がよく似合う。

 14年11月に障害転向した同馬の7戦目から手綱を執り、16年4月の中山GJを手始めに障害で11連勝。日本の競馬史上でも前人未到といえる偉業を達成したコンビである。何しろ、中山GJを4連覇。中山大障害も2勝と、考えられないような記録を達成しているのだ。

 「僕にとってオジュウは親友というか、1着を目指して頑張る仲間。それに、親子みたいに悪いことをしたら叱り、うまくできたら褒めてあげる。どの馬に対してもそうですけど、ともにした時間が長いのはオジュウですからね。それに、教わったことも多い大事な存在。こういう風にすれば結果が出るんだとか、走る馬に教わるというのはこういうことなんだなと思いましたね」

 ところが昨秋、平地に“再転向”。二刀流として話題になり、武豊に手綱を譲った。本来であれば、面白いはずがない。でも、石神は違った。難しい馬。追い切りはもちろん、騎乗が可能な日は必ずといっていいほど調教の手綱を執っていた。

 この秋も同様だ。平地復帰戦となった六社Sで10着。すると、その後の2戦は他の騎手に手綱を譲ることになった。それでも、「僕が調教をつけます」と管理する和田正一郎調教師に伝えた。恩があるからだという。もちろん、トレーナーに拒む理由はない。そして、レースでの担当者にベストの状態で託した。「オジュウの負けた姿は見たくないですからね」。心が広いし、石神のオジュウに対する思いの深さを感じる。昨年の有馬記念では、中山まで駆けつけて観戦。声援を送った。

 「レースが終わって、うるっときました。こんなに盛り上げて、レースも頑張って…。人を感動させるものがあります」

 オジュウチョウサンはこのあと年内、レースに出走する予定はない。来春の阪神スプリングJあたりが有力だという。

 多くのファンと石神を背中に乗せたオジュウチョウサンが、華麗なジャンプを見せる日を心待ちにしている。(中央競馬担当・春木 宏夫)

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