野球本史上最高額!? 総額56万8000円の「貴重本」発売中

野球雑誌「野球界」復刻版の紹介パンフレット
野球雑誌「野球界」復刻版の紹介パンフレット

 野球雑誌と言えば、「週刊ベースボール」しか知らないで育ってきた私だったが、高校1年で野球部を退部した後は、授業が終わると、当時2軒あった埼玉・大宮市(現さいたま市)内の古本屋(古書店という言い方は好きではない)で野球書籍を収集し始めた。

 古本屋の店主と懇意になって神田・神保町に仕入れに行った際に雑誌を含め野球本もお願いし、昭和の20年代から30年代の「月刊ベースボール・マガジン」や昭和20年代半ばの「月刊ホームラン」などをごっそり仕入れてきた。当時の値段で前者は1冊300円、後者は100円、小遣いをためては買いためていった。隅から隅まで読んで、それが血となり、肉となった。店主に言わせると、太平洋戦争後の大野球ブームの時期には、月に三十数誌が出版されていた事もあったという。

 あまり高い古本には手を出さない私にとって、朝日新聞社が昭和44年に出版した「全国高等学校野球選手権大会50年史」と昭和27年に日本出版協同から出版された竹中半平氏の「背番号への愛着」の3000円が最高額だったと思う。前者は知り合いの方がお茶の水の古書会館で買ってきてくれた。そして、後者は偶然、神保町の古本屋で見つけた瞬間、興奮したのを覚えている。

 新刊本では、今年出た「全国高等学校野球選手権大会100年史」(16200円)、2014年ベースボール・マガジン社からの「プロ野球80年史」の2万5000円などが私が買った野球本の中でも高いものだった。

 もちろん、関連書籍ではプロ野球コミッショナーが関係者のみが買えたというNPB1リーグ時代全試合のスコアカード(昭和11年除く)が20万円だったと聞いたことがあった。それ以上高い関連書籍はないと思っていた。ところが、先日の野球文化學會の第三回研究会に出席した際に戦前、最も読まれていた野球雑誌の「野球界」の復刻版が総額56万8000円+税という金額で発売されている事を初めて知った。

 大沼宏安さんが1人で運営しているデポルターレ(de portareはスポーツの語源となった解放という意味のラテン語)は2年前から随時配本。明治44年9月の第1号から大正7年12月発売までの97号分を、1巻に2~4号収蔵で計32巻。今月で全ての配本が終了したが、総ページ数は1万2000ページにも及ぶ。

 大沼さんによれば、今回の復刻シリーズは第2弾。第1弾の昭和6年から17年まで大日本バスケットボール協会発行の「籠球」=全10巻10万円+税=に次ぐもの。期間を区切った理由は「野球界」は国会図書館に大正8年以降そろっており、そのために大正7年までのものとしたという。現在は海外も含め計30セット余りが売れているそうだ。「野球界」は野球だけでなく相撲や他のスポーツも取り上げており、野球研究者だけでなく、相撲やスポーツ史研究者にも薦めたいとしている。

 今後は戦前のラグビーの復刻版も考えているという。野球殿堂博物館や秩父宮記念スポーツ図書館に献本しているので、両館を訪れた際には手に取りたいものだ。

 なお、デポルターレへの連絡先はonuma@3nin.jp。(ベースボールアナリスト・蛭間 豊章)

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