【磐田】必然だった2度目の降格<終>フベロ監督の意向くんだ選手補強を

スポーツ報知
5日、練習を見守る磐田フベロ監督

 J1ジュビロ磐田の2度目の降格が前節名古屋戦(11月30日)で決まった。リーグ優勝3度の名門は、序盤から低迷。1シーズンではクラブ史上最多となる4人が指揮を執る異常事態に陥った。スポーツ報知では「必然だった2度目の降格」と題した3回連載で、なぜ降格したかを検証する。

 今季4人目の指揮官として8月19日に着任したフェルナンド・フベロ監督(45)。まず行ったのは、選手の見極めだった。同月24日の第24節・ホームC大阪戦で初采配も0―2で敗戦。MFムサエフ(30)、GKカミンスキー(29)を先発させていたが、9月14日の第26節・川崎戦(0●2)で3連敗すると、2人をスパッと切り、2度とスタメン起用しない冷酷さを見せた。同28日の第27節・大分戦でMF山本康裕(30)、GK八田直樹(33)を抜てきし、ようやく初勝利。以後、スタメンをほぼ固定した。

 フベロ流の改革は続いた。練習では主力組とそれ以外を完全に分けた。紅白戦でもサブ組が主力組に入ることはほぼなかった。サブ組だった選手は「(紅白戦で)勝っても、主力に入れる気配がないのは残念」とこぼした。チームを完全に分けるのは欧州出身の監督がよくやる手法だが、入れ替えがない状況は、チーム内の競争力が低下するリスクも同時に発生。選手間に戸惑いも生まれた。

 完全非公開とされた試合前日の練習は、ベンチ入りメンバーとそれ以外の選手で開始時刻が分けられ、ヤマハスタジアムでの試合前、ベンチ外メンバーがロッカーに立ち入ることさえ禁じられた。選手からは「名波監督時代とは180度違う」「チーム内がバラバラ」という不安の声もあがった。それでも指揮官はぶれずに、自ら信じる道を進んだ。

 バルセロナのBチームで分析スタッフをしていたフベロ監督が選手に求めたのは、攻守の切り替えやサイド攻撃を徹底させる戦術だけでなく、勝利への飽くなき情熱だった。ある選手は「すごくプレーに気持ちを出すことを求める監督。名波さんの時は『あまり闘争心を出し過ぎるな』と言われていたけど、外国人だからか、“熱さ”を求める」と話す。練習でも全力疾走を課し、激しいトレーニングに音を上げる選手もいた。

 先発の固定は、メンバー間の意思疎通が高まるという効果を生んだ。「今は練習から味方のプレーの癖もわかる。試合で予測がつきやすい」。フベロ体制以前は、複数得点した試合がリーグ23戦中わずか3試合。それが就任後初勝利した大分戦以降は7試合中5試合と、得点力は大幅にアップした。1試合あたりの平均勝ち点も、フベロ監督が1・3、名波元監督は0・82、鈴木元監督は0・6、暫定で指揮した小林元監督は1だった。

 フベロ監督の続投が3日、発表された。フロントは「戦術が浸透し、躍動したものになっている」と理由を説明した。J2に降格することで、選手の流出が相次ぐことは避けられない。しかし、フベロ体制を維持するなら、ポストプレーができるFWルキアン(28)、攻守にバランスが取れる山本、MF松本昌也(24)、闘争心むき出しでゴールに迫るMF藤川虎太朗(21)などをプロテクトし、フベロの意向をくみした選手補強をすることが必要となる。

 2019年は、監督人事などフロントの迷走がチームの迷走につながった。クラブが覚悟を持ってフベロ体制の現場を支えることで、1年でのJ1復帰が現実のものとなる。(特別取材班)=おわり=

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