【中日】梅津が心を入れ替えたブルペン「このままなら“ダメな”プロ野球選手になってしまう」

1年目に4勝を挙げた中日・梅津
1年目に4勝を挙げた中日・梅津

 竜党にとっては鮮烈すぎるデビュー3連勝だった。中日・梅津晃大投手(23)。9月3日の巨人戦(新潟)では念願だった東洋大の先輩・大野奨とバッテリーを組み5回1失点。新人では87年の近藤真一氏(現・真市)以来、32年ぶり2人目となる初登板からの3戦3勝を成し遂げた。

 今オフの契約更改では、シーズン4勝の評価とともに来季への“期待値”査定で300万アップの1500万(金額は推定)をゲット。呼応するように「来年は2けた勝つ」と断言した。今季も即戦力として東洋大からドラフト2位で入団。ソフトバンク・甲斐野、DeNA・上茶谷とともに「東洋3羽ガラス」と呼ばれ、先発ローテ入りの期待は高かった。しかし1月上旬、右肩に違和感を訴え「軽度の右肩インピンジメント症候群」と診断される。痛恨の出遅れからのスタートだった。今となっては「あの時期があったから今の自分がある」と振り返るが、葛藤の連続だった。

 4月。いよいよ実戦復帰を目指しブルペン入りした日のこと。思い描く理想のフォームと現実がかみ合わず、散々の投球練習となった。受け手となった小川将俊ブルペン捕手(40)に思わず“悪態”をついた。「自分の投球に納得がいかなかった。自分の感情が爆発してしまった」。相手の問いかけには空返事。お礼もせず、次のメニューに向かってしまった。

 チームを支える裏方なくして練習はできない。さらに相手の小川ブルペン捕手は東洋大の大先輩だ。そんなことは頭で分かっていても、分別がつかないほど気持ちが荒れ、焦っていた。「このままなら“ダメな”プロ野球選手になってしまう…」。梅津はすぐ頭を下げた。何かが変わるならと、知人にもらった一冊の本にも頼った。「エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする」(グレッグ・マキューン)。スマホを伏せ、ソフトカバーの活字を読み込んだ。

 8月に初昇格を果たすと、6試合に先発して1軍でシーズンを終えた。「24時間ずっと野球のことを考えていられた。1軍で投げているとき、本当に野球が楽しかった」。苦しかった日々を乗り越えた先に、大観衆の前で超一流選手を相手に投げる喜びが右腕を待っていた。

 来季は他球団から研究もされ、目の色を変えて相手打者が向かってくる。すでに梅津は肉体改造にも着手し、11月には減量にも成功。今月中旬からは大学時代に通った都内のトレーニング施設で汗を流す。「誰にも打たれない真っすぐを投げたい」。究極の目標を掲げながら、プロ2年目へと走り始めた。(中日担当・長尾 隆広)

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