ついに新日1・4、5東京Dの2日連続地上波当日放送に踏み切ったテレ朝…プロレス中継はお茶の間に戻ってくるのか?

1・4東京D大会で飯伏幸太の挑戦を受けるオカダ・カズチカ。テレ朝の地上波当日放送最大の目玉となるスーパースターだ
1・4東京D大会で飯伏幸太の挑戦を受けるオカダ・カズチカ。テレ朝の地上波当日放送最大の目玉となるスーパースターだ
1・5東京D大会での現役引退を発表している獣神サンダー・ライガー。最後の勇姿がテレ朝地上波で当日放送される
1・5東京D大会での現役引退を発表している獣神サンダー・ライガー。最後の勇姿がテレ朝地上波で当日放送される

 1か月前とは一変したプロレスファンとしては画期的な発表となった。

 26日、東京・六本木のテレビ朝日で行われた亀山慶二社長の定例会見。来年1月4、5日の2日連続で行われる日本プロレス界最大のお祭り・新日本プロレスの「WRESTLE KINGDOM14 in 東京ドーム」について、総合ビジネス担当の武田徹副会長が確かにこう言った。

 「前回の会見では地上波の編成は検討しておりませんと、私の方からお答えしましたが、熱心なファンの皆様のご要望にお応えして、両日とも当日の26時から27時30分までの枠で90分間、地上波での放送をすることにいたしました。また、BS朝日では初めて両日とも4Kで生中継で放送いたします」―。

 あっと驚く発表。と言うのも1か月前の定例会見で「東京D大会はまさにプロレス界最大のお祭りです。テレ朝としては録画ダイジェスト放送でなく、地上波での当日放送などは考えられていませんか?」と聞いた私に武田副会長はこう答えていたからだった。

 「ファンの方には申し訳ないのですが、ありません」ときっぱり。重ねて、「リアルタイム放送に向けての社内での検討などもなかったのか?」と聞いたが、「残念ながらありませんでした」と続けていた。

 ところが1か月後に飛び出した2日連続での地上波当日放送の発表。喜びのあまり、気がつくと質問していた。「視聴者からの熱い要望があっての今回の放送実現でしょうか?」―

 この問いかけに、こちらを見て確かに微笑んだ武田氏は「根強いコアなファンの方々がプロレスに関しては支えていただいていると認識しております。特に来年の年明けの4日、5日については初めての2日間連続での興行ということもありまして、興業そのものを盛り上げるという意味合いからも地上波での放送がいいのではという編成判断で地上波放送を決めました」と答えてくれた。

 この前向きな答えにプロレス好きの虫が騒いだから、さらに調子に乗って聞いた。

 「現在、午前2時からの30分間録画ダイジェスト放送の『ワールドプロレスリング』にも今後、ゴールデン帯(午後7時~10時)での放送とまでは言わないが、ノーカット放送や放送時間の繰り上げなど、なんらかの動きを期待していいのか?」―。

 さすがに今回は苦笑した武田氏は「その辺のところは今回の地上波での編成の結果と言いますか。視聴者、特にプロレスファンの皆様がどういう風にこの地上波編成を受け止めて下さるか、その反応を見ながら、慎重に判断していきたいと思います」と答えてくれた。

 そう、この発言は明らかに“偉大な一歩”だ。「WRESTLE KINGDOM14」は新日が2日間で8万人以上の観客動員を狙う日本プロレス界最大規模の大会。4日のメインイベントでは、人気一、二を争うオカダ・カズチカ(31)と飯伏幸太(37)のIWGPヘビー級王座戦が行われるほか、獣神サンダー・ライガーの引退マッチなど話題満載の試合が用意されている大会の2日連続での地上波当日放送は全プロレスファンにとって大きな前進と言える。

 重ねて書くが、現在、「ワールドプロレスリング」は毎週土曜深夜2時からの放送。ビッグマッチの会場に足を運べなかったファンがオカダや飯伏の激闘を見られるのは早くても1週間遅れの録画ダイジェスト放送だ。

 テレ朝は動画配信サービス「新日本プロレスワールド」で主要大会を全世界に向け生配信しており、この動画配信や米ケーブルテレビとの提携である程度は採算が取れてしまう。一方で現在、日本唯一の地上波でのプロレス番組「ワールドプロレスリング」の平均視聴率は1~2%台に低迷しているのが現実だ(数字はビデオリサーチ調べ、関東地区)。

 プロレス・ファンなら金曜夜8時のあの興奮を覚えているはずだ。テレ朝は前身のNET時代の1969年、プロレス中継を開始。今年、放送50周年を迎えた老舗中の老舗だ。70年代にはアントニオ猪木、80年代には初代タイガーマスク(佐山聡)というドル箱を擁し、視聴率20%超えが当たり前。実況アナウンサーから古舘伊知郎氏(64)というスターまで生み出した。

 しかし、87年3月に生中継を終了。93年4月からは毎週土曜の深夜2時(26時)からの30分間、それも録画放送という形に落ち着いてしまった。

 以前もこのコラムで書いた一幕だが、私はそれでも「ゴールデン帯(午後7時から10時)での生中継が見たい」という一ファンとしての思いから、昨年3月の定例会見で半年に1回出席の同局最大の実力者・早河洋会長兼CEO(最高経営責任者、75)に思い切って聞いた。

 「『新日本プロレスワールド』の会員数激増が証明するように新日人気は本物です。『ワールドプロレスリング』の放送時間繰り上げの考えはありませんか?」―

 その時、早河会長は「伸びている理由の一つはアメリカでの展開です。アメリカ進出が奏功しているとは思う」と冷静に分析した上で「新日の(東京Dでの)正月興行は3万人以上集めるほど、コアなファンがいる。そういう人たちが確認視聴したりするし、今、(オカダら)それなりのスターも生まれている。そういう人への関心もあると思う。力道山、ルー・テーズの頃(の人気)までは行っていないが、コアなファンに支えられているだけに今後、新たな展開も考えられると思います」と答えてくれていた。

 同会長の発言を報じた私の速報記事に続々と届いたプロレスファンからの声の数々を2年近く経った今も昨日のことのように覚えている。

 「放送時間の早急な繰り上げは望めないだろうけど、まずは(現在の)30分間の放送枠を1時間にして欲しい。そうしたら、1試合堪能できる」

 「つまらないバラエティー番組を放送するより、今の新日の方が視聴率が取れると思う」

 「今の放送を録画して見ているけど、生放送でハラハラしながら見られたら最高」

 「生中継の放送終了ぎりぎりにオカダの(必殺技)レインメーカーが決まったりしたら、胸が熱くなり過ぎる」―。

 そして今、東京D大会の2日連続地上波当日放送に踏み切ったテレ朝。まさに早河会長が口にした「新たな展開」という言葉通りの動きが起こりつつある。

 ファンは期待していい。なぜなら、今、プロレス界で“独り勝ち”と言われる新日マットは熱過ぎるから。最高峰のベルトを巻くオカダに、女性人気抜群の「ゴールデン☆スター」飯伏。Tシャツ始めグッズがバカ売れの超人気ユニット「ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン」率いる「制御不能のカリスマ」内藤哲也(37)、42歳になったとは言え、まだまだ人気NO1の「100年に1人の逸材」棚橋弘至だって健在だ。

 紙面ではプロレスの記事を掲載していない「スポーツ報知」だが、自社webでは新日中心にビッグマッチを取り上げている。90年代、WAR時代の天龍源一郎の新日殴り込み、高田延彦のUインター、前田日明のリングスなど中心に取材していた私も“昔取った杵柄(きねづか)”と言ったらいいのか、今、新日の試合中心に取材している。

 日本の団体で唯一、東京・後楽園ホールに両国国技館、そして東京Dと常に満員札止めが続く人気を誇る新日だけに、テレビの地上波でこの熱狂をファンと分け合いたいというのが、ずっと胸に抱いてきた本音だった。

 そして、時は来た。来年1月4、5日の両日、深夜2時という深い時間ながら、2日連続で90分間に渡って地上波当日放送される東京Dの熱い戦いの数々。早ければ6日の月曜日にはビデオリサーチ社調べの平均視聴率が発表される。その数字がどんなものになるのか。高いのか、期待外れに終わるのか。夢のプロレス中継、ゴールデン復活へ―。私も全国のプロレスファンの皆さんと一緒にワクワクしながら、結果を待ちたいと思う。(記者コラム・中村 健吾)

1・4東京D大会で飯伏幸太の挑戦を受けるオカダ・カズチカ。テレ朝の地上波当日放送最大の目玉となるスーパースターだ
1・5東京D大会での現役引退を発表している獣神サンダー・ライガー。最後の勇姿がテレ朝地上波で当日放送される
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