【佐藤優コラム】首里城再建前に戦争遺骨収集を

焼失前の首里城の正殿
焼失前の首里城の正殿

 焼失した首里城(沖縄県那覇市)を再建するために、様々な行政機関、マスコミなどが募金活動を始め、その累計は既に数億円に達している。最終的に数十億円の浄財が集まると思う。

 最終的にこの募金は沖縄県に集約されることになろうが、行政機関が簿外で大量の金を持っているような事態は正常でない。沖縄の県と議会が協議し、首里城再建基金に関する条例を作り、募金の管理と使途について明確にしておく必要があると思う。

 首里城は国の予算によって建設されたが、今回の再建に際しては沖縄の行政機関や団体が集めた金も投入すべきだ。首里城の歴史で無視できないのは、太平洋戦争の沖縄戦で第32軍司令部が首里城の地下に設置されていたことだ。

 この壕には、司令部が摩文仁(まぶに)に移動するときに、負傷、病気などで動けないために自決した日本軍将兵の遺骨が現在も残っているとみられる。軍と行動を共にした民間人の遺骨も残っている可能性がある。首里城を再建する機会に第32軍司令部壕に残っている遺骨を収集し、遺族に返還することを検討すべきと思う。この作業を行うと首里城再建は少し遅れると思うが、この機会に第32軍司令部壕で亡くなった人々の慰霊をぜひ行ってほしい。(作家、元外務省主任分析官)

社会

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