バイク事故で亡くなった青木篤志さんの世界ジュニア王座防衛期限が切れ無言の返上…金曜8時のプロレスコラム

今年6月18日の青木篤志さん追悼セレモニーでは青い紙テープが飛び交った(後楽園ホール)
今年6月18日の青木篤志さん追悼セレモニーでは青い紙テープが飛び交った(後楽園ホール)

 今年6月3日にバイク事故のため41歳で亡くなった全日本プロレスの世界ジュニアヘビー級王者・青木篤志さんの王座防衛期限が20日に切れ、21日の全日本プロレス東京・後楽園ホール大会から、世界ジュニアヘビー級王座決定トーナメントが始まった。

 青木さんは、5月20日の後楽園ホール大会で岩本煌史(29)を破り、第51代世界ジュニアヘビー級王者に返り咲いたが、その2週間後の6月3日午後10時半ごろ、東京・北の丸公園の首都高トンネル内でバイクとともに倒れているのを発見され、搬送先の病院で死亡が確認された。

 世界ジュニア王座の防衛期限は6か月で、5月20日から防衛戦を行わないまま6か月が経過したことで、自動的に王者の権利が失効。悲しすぎる無言の返上となった。青木さんは、王座を奪回した時に初防衛戦の相手として、盟友の佐藤光留(39)を指名し、6月18日の後楽園ホール大会で王座を賭けてタイトルマッチを行うことをリング上で宣言していたが、青木さんがベルトを腰に巻いてリングに上がることはなかった。

 本来ならば6月18日の後楽園ホール大会で空位となった王座決定戦が行われる流れだった。過去の死亡返上としては、UNヘビー級王者だったデビッド・フォン・エリックさん(米国)の例がある。

 デビッドさんは、1984年年2月23日の全日本プロレス東京・蔵前国技館大会で、天龍源一郎を相手に防衛戦を行うはずだったが、来日翌日の2月10日に宿泊先のホテルで急死した。25歳という若さだった。全日本プロレスでは、訃報を受けて、2月23日の蔵前大会で天龍とリッキー・スティムボートによる王座決定戦を行い、天龍が新UNヘビー級王者として認定された。

 だが、今回は死亡即返上とはならなかった。青木さんの初防衛戦の相手となるはずだった佐藤が6月18日の後楽園大会でこう宣言したのだ。

 「ベルトを持ったまま遠くへ行っちゃった。青木さん、そのベルトを誰にも渡さないでください」

 この佐藤の思いを受けて、全日本プロレスでは、防衛期限である6か月間は、青木さんを王者として認定することを決めたのだった。「遠くへ行った」青木さんは6か月たってもリングに戻ることはなく、防衛期限切れで王座返上となった。

 世界ジュニアヘビー級王座決定トーナメントは、前王者の岩本(第48、50代王者)、6か月待った佐藤(第40、43代王者)、丸山敦、ブラックめんそーれ、岡田佑介、阿部史典(BASARA)、Kagetora(DRAGON GATE)、横須賀ススム(同)の8人で争われる。試合形式はすべてPWFルールの時間無制限1本勝負。

 21日の後楽園大会で行われた1回戦では、佐藤がめんそーれにチキンウイングアームロックで勝利し、岩本は孤高の芸術で阿部史典を下した。12月17日に後楽園大会で1回戦2試合、来年1月2日の後楽園大会で準決勝、同3日の後楽園大会で決勝戦(王座決定戦)が行われる。

 1986年の王座決定戦で初代王者となったヒロ斉藤から、小林邦昭、渕正信、ジョー・マレンコ、マイティ井上、百田光雄、ダニー・クロファット、小川良成、マウナケア・モスマン、TAKAみちのく、丸藤正道、ケニー・オメガ、金丸義信、ケンドー・カシン、TAJIRI、ウルティモ・ドラゴンら歴代王者が巻いてきた旧ベルトは封印される。第52代となる新王者は、新調された世界ジュニアヘビー級ベルトを巻くことになる。

 初代三冠ヘビー級王者・ジャンボ鶴田さん(2000年5月13日没、享年49歳)のメモリアルマッチが毎年5月に全日本プロレスで行われているように、青木篤志さんメモリアルとなる新世界ジュニアヘビー級王座の祭典が未来まで続くことを願う。(酒井 隆之)

 ◆「2019 世界最強タッグ決定リーグ戦」(21日、東京・後楽園ホール)

 ▽第1試合 タッグマッチ

 ○岡田佑介、大森北斗(5分33秒、ダイビングヘッドバット→体固め)丸山敦、田村男児●

 ▽第2試合 和田京平デビュー45周年記念試合 6人タッグマッチ

 大森隆男、○渕正信、グレート小鹿(8分30秒、首固め)西村修●、長井満也、百田光雄

 ▽第3試合 2019 世界最強タッグ決定リーグ戦 スペシャル8人タッグマッチ

 ジェイク・リー、○野村直矢、ヨシタツ、ジョエル・レッドマン(9分07秒、ジャックナイフ式エビ固め)諏訪魔、石川修司、ゼウス、ギアニー・ヴァレッタ●

 ▽第4試合 世界ジュニアヘビー級王座決定トーナメント 1回戦

 ○佐藤光留(10分21秒、チキンウイングアームロック)ブラックめんそーれ●

 ▽第5試合 世界ジュニアヘビー級王座決定トーナメント 1回戦

 ○岩本煌史(10分49秒、孤高の芸術→片エビ固め)阿部史典●

 ▽第6試合 2019 世界最強タッグ決定リーグ戦 公式戦 30分1本勝負

 ○ジョー・ドーリング、秋山準【2勝1敗=4点】(7分31秒、レボリューションボム→エビ固め)パロウ、オディンソン●【3勝3敗=6点】

 ▽メインイベント 2019 世界最強タッグ決定リーグ戦 公式戦 30分1本勝負

 ○関本大介、ボディガー【1勝3敗=2点】(23分29秒、ジャーマンスープレックスホールド)宮原健斗、青柳優馬●【1勝1敗=2点】

 ※観衆=965人

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