完敗中の完敗、代表の試合で前半4失点はあり得ない…岩本輝雄のDirecto

後半、相手のファウルでドリブル突破を阻まれた中島翔哉(カメラ・宮崎 亮太)
後半、相手のファウルでドリブル突破を阻まれた中島翔哉(カメラ・宮崎 亮太)

◆国際親善試合 日本1―4ベネズエラ(19日・パナソニックスタジアム吹田)

 森保ジャパンは世界ランク26位の南米の強豪相手に守備陣が崩壊。Jリーグ開幕の1993年以降、ワースト2位となるホームでの4失点という大敗を喫したゲームに元日本代表MF岩本輝雄さん(47)は「完敗中の完敗。代表の試合で前半4失点はあり得ない」と失望。それでも「今はまだテスト段階。ベストメンバーと今日のメンバーでかなりの差があるのが分かったのは大きい」と“吹田の惨劇”の中にも意義を見い出していた。(構成・中村 健吾)

 今日は何も言えないくらいの完敗中の完敗。あそこまでやられるとは思わなかった。

 とにかく個人の力の差。キープ力、体の強さが全然違った。ハットトリックのロンドン(30)=中国・大連一方=のフィジカルと高さ、ソテルド(22)=サントス=のうまさと、格が違った。ベネズエラは相手の潰し方、ボールの運び方、キープの仕方、すべてがうまかった。

 後ろの4人全員を代えて臨んだ森保ジャパンだが、普段と違うメンバーとあって後ろが安定しないと前も機能しない。あれだけバタバタで安定しない柴崎岳(27)=デポルティボ=を見たのは初めて。もちろん、ベネズエラも柴崎をマンツーマンで抑えにきていたのだが…。

 前半だけで交代した植田直通(25)=セルクル・ブリュージュ=だけでなく、4人全員がだめだった。なにしろ前半で4失点だから。前半8分の先制を許したシーンでも、ソテルドが室屋成(25)=F東京=と1対1になって振り切った。Jリーグで室屋が振り切られるシーンなんて見たことがない。さらに佐々木翔(30)=広島=も高さでロンドンに競り負けた。キルギス戦でも露呈した日本の弱点「高さ」が露わになった場面だった。これは今後もずっと引きずる課題ではないか。

 攻撃面で気になったのは、前半、鈴木武蔵(25)=札幌=と浅野拓磨(25)=パルチザン=がツートップだったこと。速い2人を並べても機能しないのではないか。1人はキープできて、もう1人は裏にも抜けられて、足元でもボールを受けられる選手でないと中々厳しい。2人とも速くていい選手だが、あくまで生かされるタイプなので。後半、中島翔哉(25)=ポルト=がトップ下に入ったことにより機能し始めたと思う。

 代表初招集の古橋享梧(24)=神戸=は速いし、可能性がある。何試合か出れば、もっと良くなるのではないか。もっと見たい選手だ。山口蛍(29)=神戸=もゴールを決めたし、インターセプトにしろ、素晴らしいものがあった。室屋も後半、多くのチャンスを作っていた。右サイドからの攻撃参加は非常に良かった。

 まだテストの段階で、日本のベストメンバーと今日のメンバーとの差はかなりある。前半で4失点、勝負ありの今日の試合を見れば分かるとおり、海外でずっとやっている選手と国内組との差ははっきりあることが分かった。その点ではプラスではないか。

 ただ、代表の試合で前半4失点はあり得ない。寂しい内容だった。前半を終わって、日本のサポーターがブーイングしていた珍しい場面がすべてを物語っているのではないだろうか。

 (題名のDirecto・ディレクト=スペイン語で「直接、まっすぐに」の意味)

サッカー

NEWS読売・報知 モバイルGIANTS ショップ報知 マガジン報知 バックナンバー申し込み 個人向け写真販売 ボーイズリーグ写真販売 法人向け紙面・写真使用申請