【王手報知】伊藤果八段、「3手詰」には「実戦では味わえないものがあります」

自信作を出題した伊藤果八段
自信作を出題した伊藤果八段

 大好評企画第2弾! 1977年からスポーツ報知の詰将棋連載を担当している伊藤果八段(69)の新刊「3手詰修了検定」(マイナビ将棋文庫、1474円)は詰将棋を解く楽しみと出会える問題集だ。ハタス先生は「藤井君(聡太七段)なら合計15秒で解く10問」を本紙読者のために精選。1問1・5秒ってカンタンじゃないですか…どれどれ…あれれれ? ストップウォッチを手に挑戦を―。

 王手して、応手(おうしゅ)があり、次の王手で詰ます―。3手詰について語る時、伊藤の頬は自然と緩む。「詰将棋の出発点です。私も小学5年の時、3手詰を解くことから詰将棋の世界に誘われました」。一度の王手で詰ます1手詰もありますけど…。「いやいや、1手詰は『詰将棋』というより『詰む将棋』なんです。応手があってこそ詰将棋。3手詰こそ原型です」

 新作の3手詰180問を収録した問題集。上・中・下段問題に双玉問題(受け方の王将のみならず攻め方の王将も置かれている問題)もある。「3手となると作る側も大変なんです。私にとっても闘いで、遊びは入れられませんけど、自分の持っている技は全部入れました。入門編として楽しめますし、マニアの方にも面白いと思ってもらえないと作家としては不満です。今後これだけの3手詰問題集が出てくることはないと思います」

 今回、読者に出題するのは双玉問題も含めた10問の傑作選だ。「3手詰といっても侮るなかれ。解いていただけたら驚きと感心、優越感を抱いてもらえるはずです」

 詰将棋といえば、19日に史上最年少タイトル挑戦を決めるかもしれない藤井聡太七段(17)が頂点に君臨する世界でもある。多数の棋士が出場する「詰将棋解答選手権」を小学6年時から5連覇中。仮に藤井が今回の10問を解いたらどうなるのか…。「問題を視認するのに0・5秒、解くのに1秒。10問で15秒くらいでしょう。20秒かかることは絶対にありません」

 藤井の活躍とともに続く空前の将棋ブームの中、棋力向上への手段として詰将棋は注目されている。ところが、生粋の詰将棋愛好家であり創作家である伊藤にはシンプルな思いがある。

 「将棋と詰将棋を離して考えてみてください。実戦を指すのは最高に面白いけど、実戦では味わえないものが詰将棋には確実にあります。最近もスマートフォンのパズルゲームが流行していますけど、江戸時代から変わらず愛されてきた詰将棋も楽しんでほしいです」。指す将(自分で指すファン)、観(み)る将(棋士の対局を観戦するファン)に続く「解く将」時代の到来なるか。未体験の方々、まずは本欄の10問を。(北野 新太)

 ◆伊藤 果(いとう・はたす)1950年9月16日、京都市生まれ。69歳。故・高柳敏夫名誉九段門下。小5で将棋と詰将棋を始め、63年に奨励会入会。75年、四段(棋士)昇段。80年、連勝賞。81年、新人王戦準優勝。2011年引退。19年、東京将棋記者会賞受賞。弟子に及川拓馬六段、上田初美女流四段ら。詰将棋作家として81年に塚田賞受賞。77年3月7日付から本紙への寄稿を始め、現在は火・木曜付社会面に連載中。作品集に「果し状」など。

第46期岡田美術館杯女流名人戦五番勝負
 里見香奈女流名人 VS 谷口由紀女流二段

  • ◇第1局 1月19日 神奈川県箱根町「岡田美術館 開化亭」
  • ◇第2局 1月26日 島根県出雲市「出雲文化伝承館 松籟(しょうらい)亭」
  • ◇第3局 2月11日 岡山県真庭市「湯原国際観光ホテル 菊之湯」
  • ◇第4局 2月23日 千葉県野田市「関根名人記念館」
  • ◇第5局 3月10日 大阪府福島区「関西将棋会館」

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