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【ジャパンC】ジャパンC生みの親・北原義孝氏が緊急寄稿 外国馬参戦ゼロに「賞金を上げて、ヨーロッパなどの関係者に目を向けてもらうしかない」

81年の第1回を制したメアジードーツ(左)。日本勢はまるで歯が立たなかった
81年の第1回を制したメアジードーツ(左)。日本勢はまるで歯が立たなかった

◆第39回ジャパンC・G1(11月24日、東京・芝2400メートル)

 1981年に第1回が開催されたジャパンC。39回目を迎えた今年、創設以来初めて外国馬が不在となった。日本中央競馬会の業務部企画課に在籍当時、日本馬のレベルアップのため「外国の強い馬に来てもらい、目の前で日本の馬を負かしてもらう」と強い覚悟でJCを創設した元JRA副理事長の北原義孝氏(84)は今、何を思うのか。「ミスター・ジャパンカップ」が自ら筆を執り、緊急寄稿した。

 毎年11月末の日曜日が近づいて来ると、私は憂鬱(ゆううつ)になる。ジャパンCに出走する外国馬が数少ないうえ、馬券の対象になる馬が少なすぎるからだ。そしてついに、外国馬が出走しない日本馬だけのジャパンCが24日に開催されることになった。私の憂鬱は「やっぱりな」という感情になっただけで、悲しみも怒りも感じなかった。この現象は、G1レースが外国人騎手に占拠されているのと同じだ。ちっとも面白くない。

 1981年に始まった第1回ジャパンCは、外国馬の馬体や調教などを見たうえで、おおむね日本馬優勢の声が強かった。しかし、レースが終わってみると、「米国牝馬の、ランクも下の方の痩せ馬だ」とささやかれていた5歳牝馬メアジードーツが優勝。この牝馬に騎乗していた19歳のアスムッセンのホームストレッチでの鋭さは、今なお鮮明に覚えている。2着馬はカナダのフロストキングという3歳セン馬で、3、4着も米国馬。日本の8頭の成績は、5着から12着までであった。

 日本馬を強くするには、外国馬を日本に招待して日本馬と競走させ、その「実態」を競馬関係者に見ていただくのが最も効率的な改革ではないかと思い、競馬番組作成に携わる者の一人として創設したJC。井の中の蛙(かわず)だった日本馬は、ようやく、第4回で逃げ馬カツラギエース、第5回でシンボリルドルフが勝利。その創設効果を実感することができた。

 97年の第17回まで外国馬の優勝は12頭に上った。しかし、それも05年の英国馬アルカセットまで。ディープインパクトが勝った翌06年の第26回以降は、日本馬が優勝を独占し、外国馬は2着にも来られず3着が1度あるだけだ。この13年間、外国馬の頭数はJC創設30周年に当たった10年こそ8頭だったが、他の年は5頭が2回、4頭が4回、3頭が4回、2頭が2回。なぜこの間に、能力ある外国馬の頭数を増やすための方策を考えようとしなかったのか。残念としか言えない。外国の競馬関係者は日本馬の強さに加えて馬場の違いもあり、頭数も優秀な馬の派遣も減り、ついに「国際」と呼べないレースになってしまった。

 冒頭の私の憂鬱はJCが国際競走でなく、国内競走に陥ってしまっているからだ。そのうえ日本のトップホースがJCではなく、凱旋門賞の方に目を向けていることも、価値を落としている要因だと思う。

 凱旋門賞はJCと賞金は変わらないが、伝統、誇り、名誉の点で世界一のレースと認められている。初期のJCのように日本馬が優れた外国馬と必死に戦い、日本のサラブレッドの能力をさらに向上させたいのであれば、現在の1着賞金3億円を6億円くらいに上げるべきである。

 世界には1着1000万ドル(約10億8590万円)の賞金があるというのに、3億円を6億円くらいにできないのだろうか。名誉で凱旋門賞に劣るなら、賞金を上げて、ヨーロッパなどの関係者に目を向けてもらうしかない。以下に現在の世界の高額賞金レースを列記しておく。

1位 サウジC(サウジアラビア)=1着賞金1000万ドル(以下全て1着賞金)

2位 ドバイ・ワールドC(UAE)=720万ドル(約7億8180万円)

3位 ジ・エベレスト(豪州)=605万豪ドル(約4億4660万円)

4位 ペガサスワールドC(米国)=400万ドル(約4億3440万円)

5位 ドバイ・シーマクラシック(UAE)=360万ドル(約3億9090万円)

5位 ドバイ・ターフ(UAE)=360万ドル(約3億9090万円)

参考 凱旋門賞(フランス)=285万7000ユーロ(約3億4360万円)

 ◆北原 義孝(きたはら・よしたか)1935年7月2日、石川県七尾市生まれ。84歳。早大法学部卒。60年に日本中央競馬会入会。96年に日本中央競馬会副理事長に就任。財団法人競馬国際交流協会2代目理事長(99年就任)も務めた。日本初の競馬国際レースであるジャパンカップを創設し、「ミスター・ジャパンカップ」と呼ばれる。

81年の第1回を制したメアジードーツ(左)。日本勢はまるで歯が立たなかった
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