日本ハムの吉田輝星投手(18)が18日、“縦の進化”でスピード出世する考えを明かした。プロ入り後初めて迎えるオフ期間へ向けて「(テーマは)落ちる系。チェンジアップかフォークです」と明言。課題だった変化球の“改革”に乗り出すことを明かし、さらに5年目までに1億円プレーヤーになることも目標に掲げた。
狙いは明確だ。今季はスライダー、ツーシームといった横の変化球が主体だった。「横の変化は対応されてしまうが、縦の変化はついていけない」と打者傾向が見えてきた。米アリゾナでの秋季キャンプではフォークの握りを深く改良し「すごく落ちる」イメージを膨らませた。「そういう(落ちる)球があるだけで、決め球に直球を使える」と語るように、持ち味の浮き上がるような直球、精度向上に取り組むカットボールなどと組み合わせることで投球の幅は広がる。
飛躍の先には、大きな未来像を描いている。この日は千葉・鎌ケ谷の球団施設で契約更改交渉に臨み、1勝3敗、防御率12・27の1軍成績で30万円増の年俸1030万円でサインした。球団は高卒選手の5年間を「育成期間」と位置づけている。輝星は、将来的な目標として「やっぱり1億円は超えたい。ファイターズの育成対象(の5年間)が終わるまでにはなりたい」とビッグな目標をぶち上げた。球団では大谷、ダルビッシュ以来となる5年目以内の大台突破へ―。勝負の冬が始まった。(小島 和之)
◆高卒5年目までに年俸1億円に到達した選手
▽5年目の到達 96年イチロー(オリックス)、97年松井秀喜(巨人)、09年涌井秀章(西武)、11年坂本勇人(巨人)、前田健太(広島)、18年松井裕樹(楽天)。
▽4年目の到達 08年ダルビッシュ有(日本ハム)、10年田中将大(楽天)、16年の藤浪晋太郎(阪神)。
▽3年目の到達 01年松坂大輔(西武)と15年大谷翔平(日本ハム)の2人だけ。