高安、前代未聞の土俵入り後ぎっくり腰で休場…大関陥落ピンチ

◆大相撲九州場所8日日(17日・福岡国際センター)

 カド番大関の高安が、前代未聞となる幕内土俵入り参加後に途中休場した。平幕の宝富士戦を控えていたが、ぎっくり腰のため支度部屋で出場を断念。日本相撲協会は既に決まっていた9日目の取組を再編する「割り返し」を急きょ行うドタバタ劇だった。10日目以降の再出場は不透明で、負け越しとなれば大関から陥落するピンチだ。一人横綱・白鵬は1敗を守って単独トップ。2敗で新小結・朝乃山と幕内・輝が追う。

 看板力士の失態が、大相撲ファンのため息を呼んだ。盛り上がるはずの結び前の取組。化粧まわし姿で幕内土俵入りには参加していた大関・高安が土俵にいない。突然の休場アナウンスに館内は騒然となった。対戦するはずだった宝富士は、「びっくり。取組前に頭(マゲ)を直していたら、『不戦勝です』と。こういうことってあるんですか?」と逆質問するほどの驚きようだった。

 休場理由はこの日朝のぎっくり腰だった。3度目のカド番で迎えた今場所、左肘負傷の影響もあり、7日目まで3勝4敗と苦戦。負け越せば2017年名古屋場所から15場所在位した大関から陥落する危機感もあったのだろう。強行して会場入りした後は、テーピングで患部を保護して痛みをこらえた。だが、土俵入りから花道を引き揚げる際は、付け人の両肩を借りてやっと歩けるほど。西の支度部屋前の高さ約30センチの段差にも両腕を支えられて入った。

 異変に気づいた境川九州場所担当部長(元小結・両国)らが幕内取組中に支度部屋へ急行。風呂場にいた高安の状態を確認した。師匠・田子ノ浦親方(元幕内・隆の鶴)にも電話し、同部長は「早く連絡せんかい」と語気を強めた。そのまま、風呂上がりの高安から約5分間、事情を聞いて休場意思を再確認。既に決まっていた9日目の取組を再編するため審判部に向かった。

 境川部長は「歩けないんだから仕方がない」と残念がった。04年初場所9日目に十両・栃乃花(春日野)が取組直前に同じくぎっくり腰で休場した例があるが上位では極めて異例。高安は報道陣の質問に無言で送迎車に乗り込んだ。10日目以降の再出場は不透明だ。

 ドタバタ劇の割り返しで、9日目の幕内取組は18番中10番が変更された。割り返しも鶴竜が休場した初日に続き2度目で、幕内の休場者も7人目。不測のけがとはいえ、「角界の顔」でもある大関の決断は重い。ファンの期待だけは裏切ってはいけない。(小沼 春彦)

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