令和になっても世界最強タッグは全日本が決める…金曜8時のプロレスコラム

世界最強タッグ決定リーグ戦入場式では恒例の乱闘が展開された
世界最強タッグ決定リーグ戦入場式では恒例の乱闘が展開された

 全日本プロレスの年末の風物詩「世界最強タッグ決定リーグ戦」は令和の時代を迎えても不滅だ。11日に東京・後楽園ホールで行われた開幕戦の入場式を、今年もバルコニーから眺めたが、ここにはまだ、昭和の薫りが残っていることを実感した。

 世界最強タッグは、77年の「世界オープンタッグ選手権」が前身で、ドリー・ファンク・ジュニアとテリー・ファンクのザ・ファンクスとアブドーラ・ザ・ブッチャーとザ・シーク組の”最凶コンビ“による優勝戦(公式戦最終試合)が盛り上がった。ブッチャーがテリーにフォークを突き刺して反則負けとなり、ファンクスが優勝。この名勝負によって、翌年から「世界最強タッグ決定リーグ戦」と改称され、以降、途切れずに、平成、令和と時代をまたいで今年で42回目を迎えた。

 現在、業界の盟主は新日本プロレスが不動のポジションで、そこで開催されている「ワールドタッグリーグ2019」でこそ、最強タッグが生まれるのかもしれない。だが、伝統という“強さ”ではどうだろう。新日本プロレスでは、1980年にMSGタッグ・リーグ戦が始まり、85年にIWGPタッグリーグ戦、86、87年はジャパンカップ争奪タッグリーグ戦。3年空いて、91年からSG(スーパー・グレード)タッグリーグ、99年からG1タッグリーグとなり、2012年からワールドタッグリーグという改称の連続で、昭和からつながっていないのだ。

 あえて、昭和とアントニオ猪木氏の歴史を引きずらなかったことで、今があるのかもしれないが、全日本プロレスは、ジャイアント馬場さん、そして契約の切れた日本テレビの歴史まで尊重している。

 開幕戦では、オープニングに「日本テレビのスポーツ行進曲」が流れた。日本テレビ「全日本プロレス中継」のテーマ曲で、ジャイアント馬場さんも入場時に使用していた。令和の全日本プロレスは、CS「GAORA SPORTS」が中継しているが、そんなことはお構いなしだ。入場式では、世界最強タッグのテーマ「オリンピア」が流れた。これもかつての日本テレビ中継の挿入曲だった。ここまで踏襲しているのだから、最初に「最強」を名乗った歴史と伝統は、簡単に手放すわけにはいかないのだ。

 PWF会長になっているドリー・ファンク・ジュニアは、こんなメッセージを寄せた。「いよいよこの季節になりました。リアルワールドタッグチームトーナメントの季節です。ワタシが日本の一年で一番思い出深いシーズンです」

 2019入場式では全10チーム20選手が顔をそろえた。前年覇者のジョー・ドーリング(37)=米国=、ディラン・ジェイムス(28)=ニュージーランド=組は、ディランが負傷欠場となったため、秋山準GM(50)が代役出場で全戦に参戦することになった。

 そして、三冠ヘビー級王者の宮原健斗&青柳雄馬、世界タッグ王者コンビのゼウス&崔領二、BJW認定タッグ王者コンビの関本大介&ボディガー、”暴走大巨人コンビ”諏訪魔&石川修司、ヨシタツ&ジョエル・レッドマン、吉田隆司&ギアニー・ヴァレッタ、パロウ&オディンソンが一堂に会すると、昭和からのお約束、大乱闘が始まった。

 昨年覇者のジョー&ディランは、昨年の入場式で乱闘の末、リングに最後まで残り、まるでバトルロイヤルで勝ち残ったかのように両手を挙げて締めていた。そのゲンを担ぐように、ジョー&秋山、宮原&青柳、諏訪魔&石川がリングに居残った。宮原組は乱闘中も背を向けてトップロープに足を挙げてスタンバイ。秋山組とにらみ合った末に、宮原組が最後までリングにいた。

 最終戦(12月9日・後楽園ホール)のエンディングで平成からの伝統、山下達郎の「クリスマス・イブ」が流れる頃、リングで手を挙げる最強タッグチームは、どのコンビだろうか。(酒井 隆之)

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