早大9季ぶり帝京大撃破 松島幸太朗が注目するSH斎藤直人がロスタイム逆転トライ「覚えてない」

逆転トライを決め、ガッツポーズする早大・斎藤(左)
逆転トライを決め、ガッツポーズする早大・斎藤(左)

◆関東大学ラグビー 対抗戦 早大34―32帝京大(10日・秩父宮)

 対抗戦は早大が、34―32で帝京大を公式戦9季ぶりに撃破して5戦全勝とした。29―32で迎えたロスタイムの後半45分、SH斎藤直人(4年)が右中間に飛び込む値千金の逆転トライ。W杯8強入りに貢献した日本代表ウィング松島幸太朗(26)=サントリー=も注目する23年W杯フランス大会の代表候補が躍動した。明大は慶大をスクラムで圧倒しノートライに抑えて5連勝とした。

 場内アナウンスで告げられたロスタイムの4分はもう過ぎていた。試合が途切れれば終わる。3点差を追う早大は敵陣深くに入って攻め続け、中央のスクラムから右へと展開。斎藤は右中間ゴール前のラックからボールを取り出すと密集をピョイっと越え、インゴールに飛び込んだ。「あんまり覚えてない」ほど必死なプレーが実りガッツポーズを繰り出すと、仲間が次々と駆け寄ってきた。帝京大を9季ぶりに撃破。時計は44分40秒を過ぎていた。

 1年から主力に定着した逸材は昨年、スーパーラグビーのサンウルブズに練習生として参加し、日本代表候補にも学生で唯一名を連ねた。同じ神奈川・桐蔭学園高出身で5学年上の先輩である松島は、斎藤を「ハングリー精神があるようなことを言っていた。(代表の)SHはレギュラー争いが面白くなる」と高く評価する。発言を伝え聞いた後輩は、「本当ですか!? 何度か会ってもあんまり話してもらえなかったんですが…。気にしてくれていることがうれしい」と、無邪気な笑顔を浮かべた。

 最終的に手が届かなかったW杯は準決勝2試合をスタジアムで観戦した。優勝した南アフリカSHで172センチのデクラーク、167センチのH・ヤンチースらの活躍を見て、「サイズは関係ない。言い訳にならない」と165センチの自身と重ねた。ゲームを組み立てるだけでなく密集にも顔を出してジャッカルを狙う。「SHだからやらなくていい、じゃなくてやれることはやる。体を張る」のが主将のプライドだ。

 来季のサンウルブズ入り、日本代表入り、4年後のW杯出場と夢はふくらむ。その前に目標の「日本一」がある。9季ぶりの帝京大撃破は大きな一歩だがゴールではない。「1試合ずつ、1日1日を大切に」過ごしてチームを導いた先に、大きな未来が広がっている。(大和田 佳世)

 ◆斎藤 直人(さいとう・なおと)1997年8月26日、横浜市生まれ。22歳。3歳から横浜ラグビースクールで競技を始め、桐蔭学園では3年時に主将で花園準優勝。代表は高校、U20、ジュニア・ジャパンに選出され昨年8月発表のW杯代表候補に学生で唯一選ばれていた。目標の選手は元フランス代表モルガン・パラ、流大(サントリー)。165センチ、73キロ。

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