【侍ジャパン】「陰のMVP」は日本料理店「和食 川上」…1次R1位通過を食で支えた

和食「川上」の前で写真に納まる(左から)シェフの川上氏、オリックス・山本、代表の中垣氏
和食「川上」の前で写真に納まる(左から)シェフの川上氏、オリックス・山本、代表の中垣氏

 稲葉ジャパンは国際大会「プレミア12」の1次R3連勝を収めた。異国・台湾の地で侍戦士が力を発揮した、その舞台裏には胃袋を支えた日本料理店があった。「和食 川上」。チーム最年少の山本由伸投手(21)が「陰のMVPです!」と断言した“勝ち飯”に迫った。(取材・構成 小松 真也)

 腹が減っては戦ができぬ―。決戦の数時間前。侍戦士は猛烈な勢いで空揚げをほおばり、おにぎりに手を伸ばしていた。チーム最年少の山本が「めちゃくちゃおいしい。陰のMVPです! みんなが救われたと言っています」と明かす。大人気だった球場のケータリングの大半のメニューを提供していたのが、昨年9月にオープンした台湾・新竹市内でもまれな日本人シェフによる日本料理店「和食 川上」だ。

 台湾特有の香辛料、味付けに苦戦する選手は少なくなかった。関係者によると、チーム宿舎では外国人シェフが手掛ける日本料理も並んだが、食が進まない選手も多く、朝食会場でふりかけごはんやみそ汁といった“質素”なメニューをかき込む姿が目立ったという。そんな環境下で「和食 川上」が侍たちの胃袋を守った。たとえば、7日の台湾戦前は「空揚げ100個 おにぎり100個(おかか、まぜごはん、鮭)」が選手ロッカーに運ばれ、空揚げはわずか15分で“完売”。追加発注もされた。坂本勇も「空揚げが好きでした。助けられました」と感謝しきりだ。選手らは宿舎から車で約15分の距離にある店舗にも足しげく通った。

 台湾でも和食は人気で「日式(日本風)」の飲食店は増えている。だが、日本人が腕を振るう本格的なものを味わえる店はほとんどない。元商社マンで代表の中垣朝年さん(50)が「『ここ日本だっけ』と思われる空間を目指しています」とコンセプトを説明すれば、東京都内のすし店で板前をしていた川上信行さん(44)も「とにかく安全で安心なものを提供したい」と話す。新竹市に40年以上在住する日本人従業員が働くなど、店員は半数以上が日本語を話せ、居心地がいい。大会期間中の7日は休業日ながら、3連勝を収めた試合後に選手の要望があり、急きょ店を開いて、“貸し切り営業”。山本は4日連続で訪問したそうだ。

 食材も徹底している。まぐろ、いくら、うにといった日本でしか手に入らない海産物は空輸。白米にはコシヒカリを使用し、炊き方までこだわる。基本的に日本は軟水だが、台湾は硬水。そのため、硬水から軟水に変える軟水器を使い、当たり前の味を忠実に再現しているという。

 侍ジャパンの関係者は「選手の体重が落ちたり、体調が整わないのが一番良くない。臨機応変に対応していただいて本当に感謝です」と頭を下げた。異国の地でいかにして、稲葉ジャパンが持てる力を発揮したのか。1次R1位通過を果たした舞台裏に確かに「勝ち飯」の存在があった。

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