【巨人】岡本、5種類のティー打撃…石井琢朗コーチが鬼指導 宮崎秋季キャンプスタート

石井コーチ(左)の独自のティー打撃に取り組んだ岡本は、苦悶(くもん)の表情を見せる(カメラ・泉 貫太)
石井コーチ(左)の独自のティー打撃に取り組んだ岡本は、苦悶(くもん)の表情を見せる(カメラ・泉 貫太)

 巨人の宮崎秋季キャンプが6日、スタートした。石井琢朗新野手総合コーチ(49)は岡本ら若手の野手陣に“鬼のティー打撃”を敢行した。膝元の高さ、顔付近への高さのスピーディーなトス上げや、ソフトボール、プラスチック製の球を使用するなど5種類のティー打撃を行った。ハードな練習に、岡本が地面に倒れ込む場面も。若手の打撃強化に向けて、初日からアクセル全開だった。

 石井野手総合コーチが不敵な笑みを浮かべる。一方で、岡本が大量の汗を流しながら地面に倒れ込んだ。主砲の苦しそうな表情が打撃練習のキツさを物語っていた。全143試合に出場し、今キャンプでは野手キャプテンを任される岡本でさえ「めちゃくちゃきつい、えぐいっす。ビックリしました」とヘトヘトになった。

 キャンプ初日に、石井コーチがいきなり動いた。「バッティングはタイミングとスイング軌道でほぼ決まる。いろんなボールに対しての、バットの入れ方を日頃からやっておかないと」。自らがトス役となり、大きく分けて5種類の“鬼のティー打撃”が敢行された。通常のへそ付近の高さへのトス打撃が終わると、顔付近の高さのトスを打つ練習と、膝元付近への低いトスを打つ練習が交互に3セット繰り返された。

 フリー打撃を挟み、2巡目からは、硬式球よりひと回り大きなソフトボールと、硬式球に近いサイズのプラスチック製の球を交互に使用したティー打撃が行われた。それぞれの練習意図は別掲の通りだが、新鮮でハードな練習に若手野手陣は悲鳴を上げた。打撃練習開始前には、岡本ら選手を集め、ティー打撃の実演も交えて身ぶり手ぶりで熱弁を振るった。広島時代に誠也を、ヤクルト時代に村上を球界屈指の強打者へと育てた名コーチが、巨人に熱血指導を持ち込んだ。

 原監督は「向上心と可能性を秘めた選手たちが来ているわけだから、その中から1人でも2人でも3人でも、侍に行っている選手や、オフを早めに迎えたベテラン選手を脅かす存在にならないとね」と若手の奮起を促した。2年連続30本塁打をマークし、さらなる打撃向上を目指す岡本も「今までしたことないような練習で、すぐ身になる練習だなと思います」と充実した初日を振り返った。

 ヤクルトの山田哲のように、独特のティー打撃で技術を磨いてきた好打者は多い。「バッティング、ティーとかでいろいろな引き出しを選手に与えて、自分に合ったものをチョイスしてほしい。12、1月に自分らで課題を持って、形にできるか。いろいろなものをこのキャンプの中でやらせていきたいなと思ってます」と石井コーチ。チームの底上げへ、最大限のサポートを約束した。(小林 圭太)

 ◆岡本が敢行した5種のティー打撃練習

 《1》通常トス 基本的なスイング軌道の確認。

 《2》膝元の高さへのトス いろんなボールに対しての意識付けと下半身の使い方と強化を兼ねる。

 《3》顔付近の高さへのトス 強いボールに対して、バットで上から潰して、ボールの下にバットを入れることで角度をつける。近年、日米で浸透しているボールの下面をたたく“フライボール革命”について、石井コーチは「スイングスピードがとてつもなく強いとか、腕っ節が強いバッターができること」と向かない選手もいると力説。

 《4》ソフトボール 野球の硬式球より的が大きく重さがあるため、より体幹をしっかり利用して打球を捉えないと強い打球が飛ばない。体の軸を意識付けする効果もある。

 《5》硬式球に近いサイズのプラスチック製の球 軽量で的が小さく、芯で捉えないと真っすぐ遠くへ飛ばないため、ミート力向上につながる。ヘッドスピードを上げる目的もある。

 ◆主な変わり種ティー

 ▼ヤクルト・山田哲は10種類以上 〈1〉通常のティー打撃に加え、〈2〉高め、〈3〉低め、〈4〉内角、〈5〉ワンバウンド、〈6〉正面からのトスや、〈7〉ステップしながら、〈8〉歩きながら連続、〈9〉左打ち、〈10〉バットをX字にクロスさせてからの流れで打つなどがある。13年秋に杉村打撃コーチに「レギュラーを取るためにどうすればいいか」と尋ね、スイングのキレを出すために導入。14年にリーグ最多の193安打で開花し、今もルーチンとして続ける。

 ▼巨人・丸は7種類 今年のG球場での自主トレで、〈1〉素手でミートの瞬間に右手一本、〈2〉左手一本の順で始め、次は革手袋をはめて〈3〉右手、〈4〉左手で打った。その後は〈5〉右足を斜めに出して正面で、続いて〈6〉通常より1メートルほど下がった距離で打ち、最後は〈7〉通常のティー打撃を行った。

 ▼広島・鈴木も 石井コーチが17年まで5年間、打撃コーチを務めた広島では、バットコントロールの向上を主眼に置いたバラエティーに富んだティー打撃を継続。顔の高さ、膝元へ山なりに投げられたトスを連続で打ち込み、キャンプでは「ノーステップ」、「ロングティー」、外野に置かれたティーネットを狙って打つ「ノック打ち」も行っている。

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