【巨人】育成・山上信吾、ヤクルト・五十嵐のフォームに改造…“担ぎ投げ”で158キロ

ヤクルト・五十嵐のフォームを参考に飛躍を期す山上(後方は杉内コーチ)
ヤクルト・五十嵐のフォームを参考に飛躍を期す山上(後方は杉内コーチ)
ヤクルト・五十嵐を想起させるフォームで躍進を目指す巨人の育成右腕・山上
ヤクルト・五十嵐を想起させるフォームで躍進を目指す巨人の育成右腕・山上
ヤクルトの40歳右腕・五十嵐
ヤクルトの40歳右腕・五十嵐

 育成2年目右腕の山上信吾投手(20)は来季、節目の3年目を迎えるに当たりフォーム改良に着手する。課題の制球力向上へ、オーバーからヤクルト・五十嵐、元ソフトバンク・摂津のような“担ぎ投げ”に挑む。フォーム固めのため、フェニックス・リーグにも行かずG球場で黙々と投げ込みを行う右腕は「五十嵐さんが出した158キロ」を目標に据え、支配下登録をつかみとる決意を示した。

(取材・構成=河原崎 功治)

 来季で3年目を迎える山上が、大きな決断を下した。今シーズン終了後に杉内ファーム投手コーチと話し合い、テイクバックの大きいダイナミックなフォームをやめた。ヤクルト・五十嵐や元ソフトバンクの摂津のような“担ぎ投げ”で来季に挑む。課題の制球力向上へ向け、大きな一歩を踏み出した。

 「制球力があれば自分の身体能力的に杉内さんは『まだまだ球速も上がる』と。最終の目標としては、どんな投げ方でも支配下になって1軍に投げられたらいい。今取り組んでいる投げ方に変えた方が、(支配下に)近づくと思ったので変えました」

 今の時期は宮崎でフェニックス・リーグが行われている。だが、山上は実戦から離れて連日G球場でフォーム固めに努めている。これまで投げ方を変えたことはなく、フォーム改良は初めての挑戦。抵抗はなかったのだろうか。

 「(前のフォームは)自分の中でこれでずっとやっていこうっていう感じではなくて。見よう見まねで人のフォームを見てたら、あの投げ方になったんです。そのフォームでやってきた中で、人に『こうやって投げるんだ』と教えてもらうことがなかった。今は杉内さんが教えてくれる。手応え? 最初にしては悪くないかなと。一気に良くなるとは思わないので、けがにだけ気をつけたいです」

 昨年の8月に右肘を痛め、今年の3月に復帰するまで約7か月のリハビリを経験。下半身や体幹を重点的に鍛え、復帰した直後の4月には自己最速となる152キロをマークした。だが、その後フォームを崩し、修正できずにシーズンを終えた。イースタン初登板を果たしたが、1回2失点。2軍戦登板もこの1試合のみに終わり、悔しい1年となった。自身の成長には内角を投げきることが必要だと分析する。

 「(イースタンの打者は)打球の強さが全然違うし、打球音も違った。右にも左にも内角に投げ切れれば、投球の幅が広がるんだろうなと感じました。内角が苦手なんです。投げきろうとしても体、指先がびびっちゃう。高校の時は全部外。見せ球でも内角は投げたことがないんです」

 山上は今後、先発よりも中継ぎで勝負していきたいと力を込める。

 「後ろでやりたいという気持ちはあります。球種も多い方ではない。直球、スライダー、フォークしか今はないんです。タイプ的にも先発向きじゃないというか。長い回を投げるとボールも落ちてきてしまう。短いイニングをピシャッと抑える方がいいのかなって考えています。強いボールを投げてファウルとってカウントを作るのが理想です」

 理想像はヤクルト・五十嵐だ。最速158キロの直球を武器に、ここまで日本で822試合に登板し、920奪三振を誇る鉄腕に憧れを抱く。

 「真っすぐで押せる五十嵐さんのような投手になりたいです。時間があるときや寮に帰った後は映像とか見てイメージを膨らませて。(五十嵐さんは)158キロとか出しているので、同じ投げ方をやるからにはそこまではいきたいなと。それに近づいていければ、支配下も近づいて来ると思う。いろいろ見て勉強したいなと思います」

 来季は育成3年目で勝負の年となる。来季の意気込みを聞いた。

 「2年目は苦しくつらいシーズンだった。来年はフォームを変えて心機一転、勝負の年になる。思い切りのいい自分の良さを出して、周りの人に評価してもらえるように全力で投げていきたいです」

 地元・群馬をこよなく愛する20歳。フォーム転向を、必ず飛躍につなげてみせる。

 ◆山上 信吾(やまかみ・しんご)1999年9月21日、群馬県生まれ。20歳。常磐高入学当初は野手としてプレーも、2年から投手に転向。3年夏の群馬大会で最速146キロをマーク。17年育成ドラフト2位で巨人入り。現在の最速は152キロ。183センチ、81キロ。右投右打。年俸260万円。

 ◆杉内コーチも後押し「思い切り変えてみようよ」

 杉内コーチは山上のフォーム変更を提案。「2年間、高校と同じフォームでやってきて、思うような結果が出なかった。制球面で四球が多く、死球もぶつけてしまうとかもあって。(プロで)2年やったわけだし、来年が彼にとっても勝負になるから思い切り変えてみようよ!ってね」と後押しした。

 同コーチは過去にも山下亜を上投げからサイドに転向させ、制球力を向上させようとした経験を持つ。今回、五十嵐のようなフォームを提案した意図を「担ぎ投げというのかな。ここ(サイド気味)でタイミングが合わないというのが本人にあった。なら、それをなくそうということで」と説明した。

 フォームを変える際は、決して無理に押しつけるようなことはしない。「もちろん本人と話をして、対話をして。押し付け、抑え込むのはよくないからね。納得して投げることが大事」と選手の意見を第一にする。通算142勝を挙げたレジェンドの教えが、支配下登録への道しるべとなる。

ヤクルト・五十嵐のフォームを参考に飛躍を期す山上(後方は杉内コーチ)
ヤクルト・五十嵐を想起させるフォームで躍進を目指す巨人の育成右腕・山上
ヤクルトの40歳右腕・五十嵐
すべての写真を見る 3枚

巨人

NEWS読売・報知 モバイルGIANTS ショップ報知 マガジン報知 個人向け写真販売 ボーイズリーグ写真販売 法人向け紙面・写真使用申請