東洋大・川野、50キロ競歩「驚き」日本新で五輪内定 あるぞ鈴木とワンツー

◆競歩 東京五輪代表選考会兼全日本50キロ高畠大会(27日、山形・高畠まほろば競歩コース)

 男子50キロに超新星が現れた。川野将虎(まさとら、21)=東洋大=が日本新記録の3時間36分45秒で初優勝し、東京五輪代表に内定。今秋のドーハ世界陸上金メダルの鈴木雄介(31)=富士通=が持つ日本記録を2分22秒短縮し、金メダルの有力候補に名乗りを上げた。17年ロンドン世界陸上5位の丸尾知司(27)=愛知製鋼=も日本歴代2位の3時間37分39秒で2位。最終選考会の全日本輪島大会(20年4月)で残り1枠となった五輪切符獲得を目指す。

 勝負の時は来た。42キロ過ぎ。川野は、終盤まで一騎打ちで競り合ってきた丸尾の陰りを見逃さなかった。「勢いがなくなってきた。今なら行ける」。ラストスパートで世陸5位の実力者をちぎり、東京への道を開いた。20キロで世界記録を持つ鈴木の日本記録を2分以上も縮め「驚いている。今日は自分に100点をあげていい。東京五輪は、競歩を始めた時からの目標だった」と感慨に浸った。

 17キロ過ぎで早くもスパート。「前半で揺さぶって、怖い存在だと思わせたかった」。28キロ過ぎで丸尾に追いつかれたが、じっくり勝負どころを待った。今季取り組んだ背筋や体幹の強化が実り、スムーズな歩きは乱れない。日本陸連の今村文男・五輪強化コーチ(52)は「体力が持つのかと思ったが、維持してさらに駆け引きまでした。本当に立派」とたたえた。

 21歳にして日本最速の称号を手にした力の源は、練習量と食事にある。静岡・御殿場南高時代は毎週1回、富士の裾野の起伏に富んだ道を30~35キロ歩き込んだ。東洋大の酒井瑞穂コーチ(42)は「土台があるから距離を嫌がらない」と評価する。今大会まで2週間は、毎食必ずご飯400グラムを平らげてエネルギーもためた。「夏場も食欲は落ちないし、スタミナを蓄える力はある」と川野。母・由加理さん(47)が「小さい頃からたくさん食べた。(生後)1か月検診の時、哺乳瓶のサイズが他の子よりも大きくて驚いた」と明かす強い胃袋も支えだ。

 五輪本戦では、ドーハ世陸制覇で代表内定済みの鈴木と、日本勢のワンツーフィニッシュも現実味を帯びる。開催地が東京か札幌かで揺れているが「どちらでも最善を尽くすだけ。金メダルを第一目標に、感動してもらえるレースをしたい」と言葉に熱を込めた。

(細野 友司)

 ◆川野将虎(かわの・まさとら)アラカルト

 ▼生まれとサイズ 1998年10月23日、宮崎・日向市。178センチ、62キロ。

 ▼競技歴 静岡・御殿場南高1年で競歩を始める。静岡県東部地区大会の5000メートルに出場するはずが、適性を見込まれて5000メートル競歩にエントリーされたのがきっかけ。17年に「(西塔と松永が)学生でも五輪に出ているから」と東洋大へ進学。50キロは18年全日本高畠大会で初出場し、3時間47分30秒の3位。

 ▼名前の由来 寅年生まれであることから。戦国大名の上杉謙信が名乗った「景虎」も候補だった。

 ▼スポーツ歴 小学校時代は柔道をしていたが、「公式戦で一度も勝てなかった」。中学校では卓球部と駅伝部を兼ねていた。

 ▼好きな芸能人 乃木坂46の秋元真夏。

 ▼家族構成 父・公明(きみあき)さん(47)、母・由加理さん(47)、弟・辰彰(たつあき)さん(18)、鷹綱(たかつね)さん(11)。

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