【駅ペン】箱根予選会は緊張感しかない

各大学の選手たち
各大学の選手たち

◆報知新聞社後援 第96回東京箱根間往復 大学駅伝競走予選会(26日、東京・立川市陸上自衛隊立川駐屯地~国営昭和記念公園=21・0975キロ)

 予選会の歴史は奥深い。初開催は1955年11月。同年正月の31回大会までは本戦に出場を希望する全チームが出場できた。32回大会で初めて出場限度とされた15校を上回る19校が出場を希望。関東学生10マイル(約16・1キロ)が予選会を兼ねて行われた。

 10マイル一斉スタートで、上位8人の合計タイムで競う。現在の競技方法の原形となった。ただ急きょ予選会開催が決まったため、シード制度はなく、前年度本戦優勝の中大を含め、全19校が参加した(翌年度から前年度の本戦上位10校はシード校として予選免除)。

 記念すべき第1回予選会はトップの中大をはじめ上位校が順当に突破。ぎりぎり15位で通過したのが明大だった。長距離部員不足で9人のラグビー部員が助っ人参加。うち6人はそのまま本戦を走った。「突然、明日から競走部に行って箱根駅伝を走ってこい、と言われた」。日本ラグビー界のレジェンド北島忠治監督に競技の枠を超えたポジションチェンジを命じられた佐藤勇さん(83)は当時を懐かしく振り返る。

 今や、予選会出場にも高いハードルがある。10人以上が期限内に1万メートル34分以内の公認記録を有する必要がある。日本学生対校3000メートル障害2位の実績を持つ千葉大の今江勇人(4年)は関東学生連合入りの可能性を秘めていたが、千葉大は有資格者が2人足りず、予選会に挑戦できなかった。「直前の記録会で後輩たちは僕を予選会に出すために頑張ってくれたけど、逆にそれがプレッシャーになってしまった。来年は自分が予選会を走りたいんだ、という気持ちで有資格記録に挑戦してほしい」と今江は静かに話した。

 華やかさもある新春の本戦に対し、秋の予選会には緊張感しかない。だからこそ、生まれるドラマがある。(竹内 達朗)

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