【箱根予選会】名門の日体大、3位通過 72年連続72回目の出場決める

スポーツ報知
力走する各大学の選手たち

◆報知新聞社後援 第96回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)予選会(26日、東京・立川市陸上自衛隊立川駐屯地スタート、国営昭和記念公園ゴール=21・0975キロ)

 各校の上位10人の合計タイムで競い、10位以内の大学が箱根駅伝(来年1月2、3日)の出場権を獲得した。歴代5位の優勝10回を誇る名門の日体大は3位で通過。前身の日本体育専門学校が初出場した1949年の25回大会以来、72年連続72回目の出場が決まった。トップ通過は東京国際大。前回優勝の東海大などシード10校、予選会通過10校とオープン参加の関東学生連合の計21チームが新春の箱根路に臨む。

 箱根駅伝史に残る“事件”は回避された。

 「3位、日本体育大学!」

 正式発表のアナウンスが国営昭和記念公園に響き渡ると、今季からチームを指導する横山順一部長兼任監督(55)と小野木俊コーチ(25)ら日体大チーム関係者はホッとした表情を並べた。

 名門、日体大は昨季“迷走”した。昨年9月、渡辺正昭元監督(56)がパワハラ問題で解任され、棒高跳びを専門とする小林史明監督(44)と大ベテランの渡辺公二総監督(81)が就任。実際にはチームは学生主体で運営され、出雲駅伝は9位(関東10校中8位)、全日本大学駅伝は12位(同15校中12位)と大苦戦。箱根駅伝は13位に沈み、4年ぶりに予選会に回った。

 今年に入っても名門の混迷は続いた。渡辺公二総監督は3月末で退任。関係者によると、OBを中心に複数の指導者と監督就任の下交渉を行ったが、不調に終わった。「新しい監督が来るのか、来ないのか、選手の間では戸惑いはありました」と主将の小松力歩(4年)は正直に話す。

 新たな指導体制が正式に決まったのは5月7日だった。

 横山部長が監督を兼任し、2年前に卒業したばかりの小野木コーチが就任したことが発表された。横山監督は「陸上部全体の監督でもある小林は来年に東京五輪を控えていることもあり、専門種目の指導に専念してもらう。私が部長と兼任する方がいいという判断になりました」と経緯を説明した。

 横山監督は日体大時代は1500メートルが専門で箱根駅伝の出場経験はない。卒業後は福祉関連の仕事を経て、日体大で社会福祉学教べんをとっている。駅伝の競技経験も指導経験もほとんどない異色の経歴の持ち主だ。「学生とコミュニケーションを密に取っています。生活面も競技面も学生が自分で考え、しっかりできるようになっている」と手応えを明かす。横山監督は体育学部の教授として多忙な生活を送る中、連日、午前5時30分からの朝練習と午後4時20分からの本練習に駆けつけ、選手の動きを把握した。

 横山監督を若手の小野木コーチがサポート。2年前に日体大を卒業後、実業団のセキノ興産で今年のニューイヤー全日本実業団駅伝まで競技を続けた。「日体大では1、2年時に別府健至監督、3、4年時に渡辺正昭監督の指導を受けた。セキノ興産では松宮祐行プレイングコーチの練習がとても勉強になった。皆さんの指導のいい所取りで今の日体大の学生にあった練習メニューを考えています」と小野木コーチは充実の表情で話す。

 まだ25歳の小野木コーチは現4年生が1年生だった時の主将。まさに兄貴分の存在で横浜市内の選手寮で一緒に暮らしている。「意見があったら、とにかく言ってほしい。意見を必ず受け入れるとは約束しないが、お互いが納得できるまで話し合うことは約束する」と学生に訴えている。「正直に言えば、渡辺正昭監督には意見をいいづらい雰囲気があったが、小野木コーチには何でも相談しています」と小松主将は明かす。

 横山監督&小野木コーチ体制が発足して約半年。新生・日体大は徐々に輝きを取り戻し、第一関門を突破した。

 戦後間もない1949年の第25回大会に前身の日本体育専門学校が初参加して以来、72年連続72回目の出場。その間、優勝は歴代5位の10回。連続出場記録は中大の87回(6~92回大会)に続く歴代2位で継続中としては最長。順調に行けば2036年大会で連続出場最長記録を更新する。「連続出場を継続し、さらに本戦で上位進出する。日体大としてこれは譲れない。ただ、危機感は常に持っている」と横山監督は表情を引き締めて話す。

 昭和、平成の箱根路の真ん中を走ってきた日体大は、令和最初の箱根駅伝で新たなスタートを切る。

 ◆日体大 正式名称は日本体育大学(にっぽんたいいくだいがく)。1891年、体育会として創設。その後、日本体育会、日本体育専門学校などを経て1949年に現校名になった。陸上部は26年に創部。箱根駅伝には49年に初出場し、優勝10回。全日本大学駅伝は優勝21回。出雲駅伝は最高2位(2010年)。学生3大駅伝通算21勝は駒大と並んで最多。タスキの色は白。主な陸上部OBは91年東京世界陸上男子マラソン金メダルの谷口浩美ら。

予選通過校は以下の通り。

 1 東京国際大(10時間47分29秒)

 2 神奈川大(10時間50分55秒)

 3 日体大(10時間51分09秒)

 4 明大(10時間51分42秒)

 5 創価大(10時間51分43秒)

 6 筑波大(10時間53分18秒)

 7 日大(10時間54分29秒)

 8 国士舘大(10時間55分21秒)

 9 早大(10時間55分26秒)

10 中大(10時間56分46秒)

 以上が予選通過。麗沢大は前回に続き、次点に泣いた。

11 麗沢大(10時間57分12秒)

12 駿河台大(10時間58分44秒)

13 上武大(11時間00分16秒)

14 専大(11時間01分57秒)

15 城西大(11時間02分27秒)

 

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