【巨人】原監督、セもDH制導入…リーグ発展へ異例の提言

新たなシーズンに向け始動する原監督
新たなシーズンに向け始動する原監督

 巨人・原辰徳監督(61)が24日、東京・大手町の読売新聞東京本社を訪れ、山口寿一オーナー(62)にシーズン終了の報告を行った。今季は5年ぶりのリーグ優勝を果たしたが、日本シリーズではソフトバンクに4連敗で敗退。その“敗因”に埋めがたい戦力差、実力差を感じた指揮官はセ・リーグの指名打者(DH)制導入という異例の提言を行った。また原監督、阿部2軍監督ら新体制のスタートは11月1日午前11時11分に決定。届かなかった日本「一」へ。1並びの時刻に文字通り、1からの再出発を切る。

 屈辱的な終戦から一夜、原監督は覚悟を持って声を上げた。6年ぶりの出場となった日本シリーズは、ソフトバンクに4連敗を喫した。敗退後に“かなり高い壁”と表現した戦力差を埋める方法とは。「(セ・リーグも)DH制は使うべきだろうね。DH制で相当、差をつけられている感じがあるね」。晴れの舞台が、異例の提言の場となった。

 山口オーナーへのシーズン報告は、約1時間30分にわたった。日本一こそ果たせなかったが、第3次政権1年目で至上命令の5年ぶりリーグ優勝を成し遂げた。「いい点、悪い点、全てを次に生かすという話をさせていただいた。悔しいということに変わりはないけれども、『よく勝ち進んでくれた』とは言っていただきました」。読売新聞グループ本社・渡辺恒雄代表取締役主筆(93)にも会い「また頑張ってくれ。昨日は負けたから飲み過ぎた」と言葉をかけられたという。

 五輪やWBCといった国際大会でも導入はもはや当たり前となっているDH制。セ・リーグでは難しい“打つ専門家”をロースターに加えられる。投手は、そんな切れ目のない打線を相手に勝負を強いられることになり、相乗的にレベルは向上。近年のパワー投手はソフトバンク・千賀や大谷(エンゼルス)らパに偏っているのもうなずける。「ソフトバンクのみならず、パ・リーグ全体的に言えるところ。(セとパで)ルールの違いが果たして、どういうメリットがあるのか。何をもって立ち止まっているのか」と原監督は警鐘を鳴らす。今季でパ・リーグが日本シリーズでは7年連続優勝、交流戦でも10年連続勝ち越しと、数字も物語る。セ・リーグ内にはDH制を推す声もある。

 ただ、これは指揮官が思いつきで言っていることではない。今年の夏、高校野球の話題になった時にもDH制の導入を提言したこともあった。「高校野球って教育的な側面もあるけど、レギュラーが9人から10人に増えるでしょ」。例えばパワーには自信があるが、足が遅いからと野球を敬遠していた少年が、「DHがあるなら」とバットを握るケースも増えるかもしれない。野球人口の裾野拡大へ、少年野球、高校野球でも“統一ルール”とすべき私案は以前から抱いている。

 当然、すぐにルールが変わるとは思っていない。ソフトバンクのように、外国人選手が年間通じて機能しきれなかった点を山口オーナーとも確認。補強ポイントに強打の助っ人を挙げた。だが当然、守備力も兼ね備えた選手が優先になるだろう。「我々はルールに従って野球をやることに変わりはない」と結んだ指揮官が上げた声。意味は小さくない。(西村 茂展)

 ◆指名打者(DH)制とセ・パの対戦成績 パ・リーグで1975年からスタート。日本シリーズ(S)で、現行のパ本拠地のみで採用されるようになったのは87年から。日本Sは今季のソフトバンクの3連覇でセ・パの日本一回数が35度で並んだ。87年以降に限ればパが日本一21度、セが12度。ここ10年ではパが日本一9度と大きく勝ち越している。また、2005年からスタートした交流戦は、15シーズンのうちパのチームが12度1位になり、パの勝ち越しが14度に及んでいる。

巨人

NEWS読売・報知 モバイルGIANTS ショップ報知 マガジン報知 個人向け写真販売 ボーイズリーグ写真販売 法人向け紙面・写真使用申請