大野将平と丸山城志郎…互いを必要とする特別な存在

柔道世界選手権祝勝会に出席した大野と丸山
柔道世界選手権祝勝会に出席した大野と丸山

 畳の上に700人が着座した。天理柔道伝統のすき焼き祝賀会は壮観だった。男子73キロ級の大野将平(27)と、66キロ級の丸山城志郎(26)の世界選手権優勝を祝う会が天理教教会本部の第二食堂で行われた。OB、OG、大学生、高校生らが集まった。大人数でありながら、立食ではない。座布団に座り、円卓を8人で囲み、すき焼き鍋をつつくのだ。

 豪快に300キロの肉が、我々報道陣にも振る舞われた。テーブルに現れたのは、天理大出身のスター。前男子代表監督でスポーツ報知評論家の篠原信一さん(46)だった。「いやあ、みなさん、本日は…」。改めまして、と名刺を切る各社の記者。「ああ、こんなにたくさん…なかなか僕、顔と名前を覚えられませんで…。おや! みなさん! 肉がありませんやんか!」。卵16個付きで運ばれてきた“おかわりお肉”は心なしかグレードアップ。「さすが篠原さん。ありがとう」。記者たちの心の声が聞こえた。

 天理で柔道を志すものにとって、すき焼きはやはり特別な存在のようだ。丸山は過去に行われた大野の祝賀会中に心に誓っていた。「いつか俺が食べさせてやる」。悲願のすき焼き主役デビューだった。毎日ともに稽古を積み、背中を追ってきた。大野の存在が丸山を引き上げた。「大野先輩がいなければこういう選手になれていない。五輪チャンピオンになるにはこいうことが必要なんだと思った」。試合への準備の仕方、追い込み方を学んだ。

 「圧倒的存在から、絶対的存在になりたい」と宣言した絶対王者の大野にとっても丸山は刺激になっている。「こんな天才が後輩にいると大変。先輩として一つ上のステージを走り続けなければならないプレッシャーもある」。大野のうれしそうな表情に、互いへの強いリスペクトを改めて知った。

 ◆高木 恵(たかぎ・めぐみ)北海道・士別市出身。1998年報知新聞社入社。レイアウト担当、ゴルフ担当を経て、2015年から五輪競技を担当。16年リオ五輪、18年平昌五輪を取材。

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