【佐藤優コラム】負け惜しみ言わぬロシア選手すがすがしい

9月20日の日本・ロシア戦(東京スタジアム)
9月20日の日本・ロシア戦(東京スタジアム)

 ロシアでサッカーはとても人気のあるスポーツだ。一方で、ラグビーはあまり普及していない。

 ロシアのラグビーは80年以上の伝統がある。ソ連ラグビー連盟が結成されたのは1936年で代表チームが結成されたのは74年。多くのロシア人がラグビーについて知るのは91年のソ連崩壊後のことだ。ロシアはスポーツ・ナショナリズムが強い国柄であり、日本で行われているラグビーW杯のニュースには国民も関心を持っている。

 9月20日、東京スタジアムで行われた開幕戦で日本は30対10でロシアに勝利した。ロシア政府によって事実上運営されているウェブサイト「スプートニク」(日本語版)は、代表戦出場数で最多記録を持つユーリー・クシナリョフ選手のこんな談話を掲載している。

 「(昨年11月に日本と試合をした時と同様)ゲームの展開を遅くしようとしました。日本のプレーは大変スピードがあって、ボールを腕にキープしようとします。ある程度、抑えることができ、前半38分まではこちらがリードしていました。こちらはあまり組織的にまとまらず、相手はミスをうまく突いてきました」

 「試合には満足しています。私は代表112試合目でした。この間、代表チームは大きく成長しています。よりプロらしくなりました。選手の準備に対する取り組み方が大きく改善しています。(略)ロシアはラグビー強豪国になれると思っています。ただ、それには時間が必要で、これは当然のことです」

 負け惜しみを言わずに、実力が日本代表に及ばないことを率直に認めているクシナリョフ選手の発言はすがすがしい。外交の世界でもこのような精神をロシア人は持っている。(作家、元外務省主任分析官)

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