五輪マラソン札幌開催案で経費負担綱引き勃発

 東京都の小池百合子知事(67)は18日の定例記者会見で、2020年東京五輪のマラソンと競歩が札幌で開催される見通しとなったことについて、大会組織委員会幹部から競技開催の費用は国の負担とする意向を伝えられたことを明らかにした。組織委は都に開催地変更を伝える前に、北海道や札幌市などに打診しており、小池氏は決定過程などについて不信感を示した。

 小池知事はこの日の会見で「これまで準備を重ねてきたので、東京でという気持ちに変わりはない」と改めて強調した。

 知事によると、札幌開催発表の前日となる15日、都庁内で大会組織委員会の武藤敏郎事務総長から変更案の説明を受け、その際に「(開催費用は)国が負担すると明言された」と主張。一方の武藤氏は「そんなことは言っていない」とし「知事は都では負担できないと言うし、われわれも負担できない。『国に頼んでみようか』と言った」と明らかにした。札幌開催に伴う経費は仮設、選手や関係者の輸送、宿泊、沿道警備などが想定され、組織委は精査を進める方針。大会組織委員会の森喜朗会長(82)は17日、今回の変更方針は国際オリンピック委員会(IOC)主導で進められた点を踏まえ、IOCに負担を求める可能性を示していた。

 一方、菅義偉官房長官(70)はこの日の会見で「準備と運営は都と組織委が責任を持ってするものと理解している」と強調。小池氏の発言については「承知していないのでコメントは差し控える」と述べた。費用負担問題は今後の火種となる可能性が出てきた。

 札幌開催を巡っては、関係者によるとIOCから組織委に会場変更の連絡が入り、森会長は9日の段階で安倍晋三首相(65)らに札幌開催案を説明。官邸から北海道側に開催可能か打診があった。10日には橋本聖子五輪相(55)、北海道の鈴木直道知事(38)、札幌市の秋元克広市長(63)らに伝え、開催都市の都に伝えられたのは15日の最終段階だった。

 小池知事は事前の協議がなかったことについて「疑問に感じざるを得ない」と批判。30日からのIOC調整委員会で東京開催を主張するかは明言しなかったが、「なぜ、札幌なのか。いつ、誰が、どのように決定したのか」「都に一番最後に話があったと思うが、都民に対してどうか」などと不信感をあらわにした。

 〇…IOCのバッハ会長は18日、ドーハで取材に応じ、経費負担について「全ての疑問点は調整委員会で話し合われる」と指摘し、30日から東京で開かれるIOC調整委の会合で大会組織委員会や東京都と決着することを期待した。バッハ会長は各国オリンピック委員会連合(ANOC)総会出席後に「札幌での開催は、酷暑から選手の健康を守るために取った解決策だ」と異例の判断の背景を改めて強調した。

 ◆五輪の開催経費 17年5月に都、組織委、国、地方自治体が分担について大枠合意。国の負担は新国立競技場の整備費とパラリンピック経費の4分の1の計1500億円とし、五輪の直接的な運営費は負担しないという整理がなされた。都は都外の仮設費用の多くを担う。都、組織委、国、自治体は経費全体の分担を巡り、16~17年に激しく議論した。

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