プロ野球ドラフト会議が17日、東京都内で行われる。山梨学院大・入倉京一郎投手(4年)=大分・大分豊府高出身=は、県内の高校、大学から唯一、プロ志望届を提出した。最速149キロ左腕は「気負わずに、気楽に待ちたい」と、平常心で運命の時を迎える。
指名されれば、山梨での“サクセスストーリー”だ。県立の大分豊府高時代は最速134キロ。山梨学院大に進み、「レベルの差を感じて、食事面を考えたり、全体練習になかったウェートトレーニングを自主的にやった」と、肉体改造に取り組んだ。その結果、球速、体重ともに入学時から15キロアップ。180センチ、86キロの恵まれた体格で剛球を投げ込むようになった。
関甲新リーグは2年秋に初登板し、主に中継ぎで活躍。「球威に自信がある。直球とスライダーで空振りを取るスタイル」と、持ち味をアピールする。4年生になり「上のレベルで野球を続けたいと思い、春までは独立リーグも考えていた」と入倉。しかし8月の練習試合で、NPB数球団の視察を受け、「チャンスがあるなら(志望届を)出そうと思った」と大舞台への挑戦を決意した。
須田喜照監督(49)は「真っすぐで三振を取れる。プロでは即戦力というより、2~3年育成されるタイプだと思う」と評価し、さらなる伸びしろを感じている。山梨学院大からは2014年育成ドラフトで巨人から3位指名を受け、その後支配下登録された田中貴也捕手(27)以来となるプロへ、入倉は「行けるならどの球団でも行きたい」と12球団OKの姿勢を表明。「プロは制球が大事だと思うので、力で押しながら、しっかり(コースに)投げ分けられるようにしたい」と、入団後のイメージも語った。(竹内 竜也)
◆入倉 京一郎(いりくら・きょういちろう)1997年6月13日、大分市生まれ。22歳。八幡小4年から野球を始め、大分西中軟式野球部でプレー。大分豊府高では甲子園出場なし。山梨学院大で2年秋に関甲新リーグデビュー。今秋は3試合に救援登板。180センチ、86キロ。左投左打。家族は両親と妹。好きなプロ野球選手は巨人時代の小笠原道大で「すごくかっこよくて、『男』という感じがするから」