キプチョゲ、マラソン史上初2時間切り 特別レースで非公認も「この機会を与えてくれて感謝」

非公認ながらもマラソンで1時間59分40秒をマークしたキプチョゲ(ロイター)
非公認ながらもマラソンで1時間59分40秒をマークしたキプチョゲ(ロイター)

 男子マラソンで2時間1分39秒の世界記録を持つエリウド・キプチョゲ(34)=ケニア=が12日、ウィーンで行われた特別レースで、フルマラソン史上初の2時間切りとなる1時間59分40秒をマークした。記録は非公認となるが「この機会を与えてくれて感謝している」と快挙達成に喜びを語った。

 約30人のペースメーカー(PM)が何度も入れ替わってレースを引っ張った。常にキプチョゲの前方に5人、後方に2人がつく形で風などの負担を軽減。さらに、PMの前には先導車がレーザーを路面に照射してペースを誘導した。1キロあたり2分50秒のペースを刻み、10キロに換算すると昨季の日本ランク21位相当の28分20秒を維持して駆け抜けた。日本人では唯一、男子1万メートル日本記録保持者の村山紘太(26)=旭化成=がPMとして参加し、大記録に貢献。自転車から飲み物を受け取るなど特殊な補助を受けてのレースとなったため、非公認記録となる。

 17年にもスポーツ用品大手ナイキの企画でイタリアのサーキットで挑戦したが、2時間0分25秒とわずかに届かなかった。東京五輪代表選考会MGC(マラソングランドチャンピオンシップ)でも注目を集めた同社製ピンク色の厚底シューズを改良して、前足部にエアーを搭載した新型モデルを着用。最強の相棒とともに、異次元へと足を踏み入れた。

 ◆エリウド・キプチョゲ 1984年11月5日、ケニア生まれ。34歳。高校卒業後に本格的に陸上を始める。2003年パリ世界陸上5000メートルを18歳で制し、トラック種目を中心に活躍。初マラソンとして臨んだ13年ハンブルクでは2時間5分30秒の大会新記録で優勝。18年ベルリンで2時間1分39秒の世界記録をマーク。16年リオ五輪などフルマラソン全12戦で11勝という圧倒的な強さを誇る。自己記録は5000メートル12分46秒53(世界歴代6位)、1万メートル26分49秒02(同21位)。

 ◆主なマラソンの記録公認条件

 ▼長さ 42.195キロよりわずかでも短いと認められない。長い場合も誤差は42メートル以内(競技距離の1000分の1以下)。

 ▼標高差 スタートからゴールまでの標高の減少は42メートル以内(競技距離の1000分の1以下)。

 ▼直線距離 スタートとゴールの直線距離は約21キロ以内(競技距離の2分の1以下)。それ以上の片道コースでは追い風の恩恵を大きく受けることがあるため。

 ▼助力の禁止 自動車や自転車によるペースメーカーや給水などは認められない。今回のキプチョゲの場合、これに該当する。

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