ノーベル化学賞受賞の吉野さん「反響のすごさに驚き」賞金の一部を研究助成に

吉野彰氏(ロイター)
吉野彰氏(ロイター)

 ノーベル化学賞の受賞が決まった旭化成名誉フェローで名城大教授の吉野彰氏(71)は10日、都内で妻の久美子さん(71)と一緒に記者会見し「反響のすごさに驚いている」と話した。久美子さんは「とてつもなくうれしい」と笑顔で喜んだ。吉野氏は会見後、同賞の賞金の一部をエネルギーや環境の分野で技術革新につながる研究の支援事業に寄付する考えを明らかにした。

 「私自身、ちょっと今、大変興奮しております」。吉野氏は時折、笑顔を見せながら受賞の報告を行った。ともに会見した妻の久美子さんには「(研究で)苦しい時は迷惑を掛けた。苦労を踏まえて受賞を一緒に喜んでほしい」と言葉を掛け、久美子さんは「最高のプレゼントをありがとうございます」と応じた。

 この日、東京都千代田区の旭化成に晴れやかな表情で出社。大勢の社員から拍手で出迎えられ、花束を贈られた。吉野氏は「皆さんの子どもさんが喜んだのではないか。お父さんの会社はすごいね、と。これが一番うれしい」と語った。

 受賞が発表された前日(9日)は会見や取材対応のため、夕方から深夜まで忙しく過ごした吉野氏。昨夜は梅酒で祝杯を挙げ「ぐっすり寝た」。起きると「どの新聞も(1面)トップで載せてもらった。ああ、これは本物だと思った」。紙面を見て少しずつ受賞を実感した。

 この日は朝7時すぎからニュース番組に出演した。「好奇心を持っていろんなことに関心を持ち、経験していけば必ずノーベル賞は取れる」と子供たちに向けてエールを送った。

 吉野氏はスマートフォンなどに使われるリチウムイオン電池の基本構成を確立するなど実用化に大きく貢献。米国の大学で教授を務める2氏と共同受賞することになった。久美子さんは33~34年前、リチウム電池の開発で夫が苦労した場面について明かした。「枕に髪の毛がいっぱいくっついていて、あれって思った時があるんですね。ストレスからきているものだったのかな、と思う時がありました」。開発で問題点が次々と出てきた時期だったという。

 久美子さんは夫の素顔も明かした。「好き嫌いが結構、激しい。体のために緑黄色野菜をとって欲しいのにそれをどけていくんです」。たばこも「好きで隠れて吸っている」そうで、指摘すると「たばこをやめたら、俺はストレスを抱えてほかの病気になる」と言われたという。好きな面については「何事も一生懸命にやっているところ、社会悪に立ち向かっているところ」。一躍時の人となった夫の横で目を細めた。

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