【天野勝利さんが見た「報知アユ釣り選手権オーナーカップ」・下】

懐かしみながらこれまでの歴史を振り返る天野さん
懐かしみながらこれまでの歴史を振り返る天野さん

 今年で第50回の節目を迎えた「報知アユ釣り選手権オーナーカップ」。半世紀に及んだ歴史の中で、第36回からは競技委員長を努め、大会の屋台骨として尽力する天野勝利さん(75)を取材。前回に続き、今回は初出場の18回大会、そして競技委員長として大会、選手への思いを語った。(取材・構成=大塚 真哉)

―初出場の「第18回報知アユ釣り選手権オーナーカップ」で準優勝。トーナメンターとして第一歩を踏み出した。

「いざ出てみると他の選手と道具や仕掛け、釣り方の違いにビックリした。私は漁師の釣りだったもので。勝ち上がれたのも、ただ調子が良かったなと思うくらいで、選手権の偉大さが分からなかった。だけど決勝戦になるとギャラリーや声援がすごくて、大いに盛り上がっていた。気合いの入り方も違った。釣りなんて黙って一人でするものだと思ってたから、別世界を目の当たりにして驚いたのを覚えている。これがみんなが目標とする大会なんだとつくづく思わされた」

―選手としての経験を生かし第36回からは競技委員長に就任。重責を担うことになった。

「自然に溶け込んで行う競技だから、まずは安全第一を頭に置いている。近年を振り返るとゲリラ豪雨などの予期せぬ天候の狂いが生じてる。危険を感じて大会当日に中止を決断せざるを得ないこともあったが、競技委員会が決めたことを参加者の皆さんが理解し、納得してくれた。これは感謝にたえない」

―大会はスポーツ競技と捉え、ルールなどに細心の注意を払うにあたって。

「出場する選手がすべて平等であるようにしたい。これはスポーツの原点。エリアを選定するにしても、各ブロックで範囲に広い狭いはあっても、そこに入る選手の人数分だけオトリが代わるポイントがあるような切り方をしないといけない。オトリにしてもそう。甲乙つけがたいような魚を準備して、選手に選んでもらうようにしている。スタートすれば個々での戦いになるが、それまでは主催側の責任だから。競技説明にしても、その場その場で確認し、全員に理解してもらえるように気遣っている。なにしろみんなが勝ちにきてる試合だから。培われた技量を十分に発揮できるステージを用意することが役目だし、そこに神経を使う」

―数々の名勝負を目の当たりにして印象に残る選手、試合は。

「やはり筆頭は7期連続名人位に就いた高橋祐次選手。負ける時が来るのかというほど強かった。積み重ねた努力は半端じゃなかったんだろうなと思う。試合としてなら高橋名人と島啓悟選手が戦った安曇川での38期名人戦。2試合目のスコアは42尾(高橋)と35尾(島)と2時間で記録的な釣果を挙げた時、この2人はバケモンかと思うくらい驚いた」

―50年の歴史の中でたくさんの名手が誕生した。

「選手は必死になって練習し、大会に臨んでくる。そして毎回違ったドラマが生まれ、感動を与えてくれる。そこでの優勝者や名人たちが『自分はこんなにすごい大会で勝ったんや』と後々からも思えるような大会を続けることが大事であって、それが「報知アユ釣り選手権オーナーカップ」の重みにもつながることではないかな。長く続けられたのも、川しかないようなところでの大会も、その地域、関係者、選手がひとつになって積み重ねてきた証だと思う。これからどんな歴史が、どんなドラマが待っているを楽しみにしている」

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