第二の「池の水」は生まれるのか…テレ東の“新兵器”社長肝いり制作チームへの高まる期待

テレビ東京の新番組「先生、、、どこにいるんですか?」でMCを務める(左から)ユースケ・サンタマリア、山里亮太、山崎静代
テレビ東京の新番組「先生、、、どこにいるんですか?」でMCを務める(左から)ユースケ・サンタマリア、山里亮太、山崎静代
テレビ東京の新番組「ソクラテスのため息~滝沢カレンのわかるまで教えて下さい~」でMCを務める(左から)おぎやはぎ・小木博明、矢作兼、滝沢カレン、村尾信尚さん
テレビ東京の新番組「ソクラテスのため息~滝沢カレンのわかるまで教えて下さい~」でMCを務める(左から)おぎやはぎ・小木博明、矢作兼、滝沢カレン、村尾信尚さん

 この10月、初回の平均視聴率がとても気になる番組が一つあった。

 今月4日に放送されたテレビ東京の新番組、お笑いコンビ「南海キャンディーズ」の山里亮太(42)としずちゃんこと山崎静代(40)、さらにユースケ・サンタマリア(48)がMCを務める「先生、、、どこにいるんですか?」(金曜・後6時55分)がそれだ。

 初回の平均視聴率3・3%(数字は関東地区、ビデオリサーチ調べ)と数字こそ控えめだったが、その反響は本物。お世話になった「先生」にもう一度会って感謝の気持ちを伝える。もし亡くなっていたら、墓前に手を合わせ近況報告をするという今までの再会番組にはなかった“ガチ”の「生存確認ドキュメント番組」には放送直後から多くの期待の声が集まった。

 この番組を手がけるのが、2017年9月に裏番組のNHK大河ドラマの視聴率を抜いて、あっと言わせた「緊急SOS!池の水ぜんぶ抜く大作戦」などをヒットさせてきた伊藤隆行プロデューサー。

 さらにこの10月クールの新番組には「ゴッドタン」などで知られる名物プロデューサー・佐久間宣行氏が手がけるタレント・滝沢カレン(27)初の冠番組「ソクラテスのため息~滝沢カレンのわかるまで教えて下さい~」(16日に初回)もラインアップ。さらに、ネットプラットホームのnoteとコラボした全く新しい連続ドラマ「知らない人んち(仮)~あなたのアイデア、来週放送されます!~」も11月から月曜深夜枠で放送される。

 「知らない人んち―」は、あるシェアハウスを舞台にした全4話の連ドラだが、現時点でストーリーが決まっているのは最初の10分のみ。視聴者に0話を見た上で「私ならこうする!」という続きのアイデアやストーリーをnoteに投稿してもらい、それを元に第1話の脚本を作る。その一方でテレ東の制作チームも第1話以降のストーリーを制作。つまり同じ設定からスタートする「視聴者によるnote投稿編」と「テレ東チーム編」という2つのストーリーが毎週放送される全く新しいチャレンジとなる。

 次から次へと繰り出されるテレ東の新番組の数々。3日、東京・六本木の本社で行われた同局の定例会見でも小孫茂社長(67)の表情も明らかに生き生きとしていた。

 冒頭の7月クールの業績報告こそ、すべて民放5位の最下位。平均視聴率も全日(午前6時~午前0時)前年比マイナス0・3ポイントの2・5%、ゴールデン(午後7時~10時)マイナス0・6ポイントの5・9%、プライム(午後7時~11時)マイナス0・6ポイントの5・4%という数字を前に「小声でしゃべらなければいけません…。視聴率ですが、7月クール及び上半期のゴールデン(平均視聴率)5・9(%)ということで、前年同期に比べていずれも大きく下がってしまっています。心から反省していかなければならない。これから、もう1回上向きに転じていかなければならない」と小声で話した小孫社長。

 だが、10月の改編率、全日18・6%、ゴールデン21・1%、プライム7・9%。「新テレ東へ!全力スイング第1弾」という改編スローガンを手元に置いて前を向くと、「8月後半から9月にかけては世帯視聴率6%を超える水準に戻ってきました。もう底を打ったと思っているので、10月クール、1月クールと上向いていくと思っています」と胸を張って続けた。

 そう、テレ東ならではの新しいコンセプトの元、生み出された新番組の数々が、強気の言葉の裏にはある。「池の水―」「出川哲朗の充電させてもらえませんか?」などの低予算のワンコンセプト番組でここ2年、視聴率競争をかき回してきた同局の勢いが、この10月、完全に復活したと私は見ている。

 最大の武器が辣腕で知られる小孫社長の肝いりで今年2月に発足させた制作と編成をまたいで局内から人材をかき集めた「新制作チーム」の存在だ。

 社長の強気の言葉の裏に、この強力チームの存在が見え隠れしている気がしたから、ずばり聞いてみた。

 「話題満載の10月の新番組に2月に発足させた新制作チーム発案の番組は含まれているのか」―

 「新制作チームは企画開発チームと言いますが、そこが考えたものもあります」―。きっぱりと答えた小孫社長。初めて社内秘密プロジェクトチームの名前まで明かしてくれた。

 「でも、そこだけで考えたものでなく、制作中心にもっと若い層からの提案がものすごい勢いで増えています。大変うれしい限りで、それを皆さんの目に留まるように、どう放送番組として作っていくかが大きな課題です。若い人からポンと飛び出してきたものがあるんです」と、さらに局内の若手社員からの企画も目白押しであることも明かした。

 「2月に新チームを作ってアイディアを出して、うまくいったものもあれば、残念ながら結果も出なかったものもある。でも、それを作った結果として、テレビ東京の中にある『新しいものをやってみようよ』というものに火がついたなといういう気がしています。それがこれから来春、いや来年いっぱい目白押しになるという予感がしています。その走りだと受け止めていただければと思っています」と、こちらを見つめて熱く語った同社長。新チームのメンバーも知りたくなったから重ねて聞いた。

 「10月クールの新番組に佐久間さんや伊藤さんというスター・プロデューサーの企画もありますが、この2人も企画開発チームのメンバーなのか」―

 小孫社長は「メンバーは公表してないよね?」と隣に座った幹部に聞くと、「テレ東も組織なので、社内ではみんな知っているんだけど、記者の皆さんにまで言うことで、このメンバーが勘違いしてもまずいので」と正直に言った。

 その上で「(佐久間氏や伊藤氏は)エースでも何でもなく、やりたがりと受け止めていますが、彼らも入っているかどうかというより『くちばしは入れている』と言ったほうがいいかと思います。いろいろな形でいろいろな人材が出入りして議論しています。定期的に新チームが1週間に1回とか議論しているわけではなく、ワイワイガヤガヤ議論している中心に、その新チームがいるという形と考えていただければ」と答えてくれた。

 発足から8か月。ついに姿を見せ始めた、いかにも「テレ東らしい」新番組の数々。百戦錬磨の新制作チームや若手の自由な発想から生まれた“作品”たちが、これから、どう「第二の池の水」「第二の出川の充電」に育っていくのか。それとも短命番組として消えていくのか。

 視聴率第一主義で早急な結果ばかりが求められがちな中、私は「新しいものをやってみようよ」という言葉が象徴するテレ東の挑戦を、ゆっくりと見守りたいと思っている。(記者コラム・中村 健吾)

テレビ東京の新番組「先生、、、どこにいるんですか?」でMCを務める(左から)ユースケ・サンタマリア、山里亮太、山崎静代
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