【Bリーグ】川崎・篠山竜青、タフにディフェンス 全ては川崎優勝のために

主将としてチームを引っ張る篠山(カメラ・小泉 洋樹)
主将としてチームを引っ張る篠山(カメラ・小泉 洋樹)

 3日のBリーグ開幕戦で宇都宮ブレックスを78―57で下した川崎ブレイブサンダースは、6日にホーム開幕戦(対宇都宮)を迎えた。川崎は3季連続でチャンピオンシップ(CS)に出場。毎シーズン優勝候補に挙げられながら初年度は準優勝、18、19年はCS8強と悔しい思いを重ねてきた。日大出身で日本代表ポイントガードの篠山竜青(31)は「全て優勝のためにフォーカスしたい」と、思いを打ち明けた。大黒柱で日本代表センターのニック・ファジーカス(34)はMVPを獲得した16―17年シーズンの再現を誓った。

 今季はマティアス・カルファニ、ジョーダン・ヒース、大塚裕土、熊谷尚也と4人の新戦力が加入。監督も2011年の実業団時代から指揮を執ってきた北卓也氏(47)から、アシスタントコーチを務めていた佐藤賢次氏(39)へ代わった。4季目にして新たな一歩を踏み出したチームは、開幕戦で快勝発進を果たした。

 「40分間、タフにディフェンスをし続けること。それができるかできないかが今年の鍵だし、できれば優勝できるメンバーがそろっていると思う」

 監督交代によりチームの体制、練習、スケジュールの組み方など全てが変わったという。中でもディフェンスに対する意識はこれまで以上に強まった。

 「ディフェンスに対する意識はこれまでにないタフさ、強さ、激しさを求められる。それに伴って(ディフェンス時の)ルールもきめ細かくなった。ディフェンスに割く練習時間も変わった。練習の中でもディフェンスの質はかなり高くなっている。これはオフェンスにも言えることだが、基本的には去年から引き継いだものがほぼないと言っていいくらい、一度全てを崩した」

 練習の雰囲気にも変化が出てきた。

 「賢次さんが監督になってから、タフにハードにやってきた。僕自身(W杯1次リーグの)米国戦でけがして帰ってきたときも、最初は少し『休めと神様が言っているのかな』と思っていたが、練習を見て本当にみんなハードワークで一生懸命プレーしていて、その中で楽しみながらやっているのが伝わってきた。過去に何度もけがをしたことがありますけど、これほど『一刻も早くこのチームでやりたいな』と思ったことはない。今はきつい中でも楽しくやれている」

 毎年、優勝候補に挙がりながらも、過去3シーズンは頂点には届かなかった。どこよりも悔しさを味わってきたからこそ、主将の今季にかける思いは誰よりも強い。

 「全てを優勝することにフォーカスしてやりたい。(W杯で)世界と戦って、オフェンスもディフェンスもいろんなことが経験できた。それを全部、川崎の優勝のために還元したい。チームの目標も優勝だけど、個人の目標も、とにかく優勝にフォーカスして1年を過ごしたい」

 優勝のために何をすべきか考えた時、キャプテンとして考え方にも変化が表れた。

 「これまで優勝候補筆頭と言われながらやってきた中で、勝つためには『こういうところが不安だな』『こういうところがまだ足りていない』と段階的に逆算しながらやってきた。でも、今季に関しては『これとこれを絶対やり切ろう、そうすれば絶対勝てる』って自信がある。やっぱり早くこのメンバーで川崎のユニホームを着て試合がしたい。チャレンジャーとして。それはすごく今までにはなかった気持ちの部分。今季は純粋に楽しみな気持ちが強い」

 今夏にはW杯で世界との差を体感した。1次リーグは全3試合に出場。米国戦で左足親指を負傷し、順位決定戦の2試合は出場できなかったが、驚異的な回復力を見せた。復帰した3日のBリーグ開幕戦では19得点と躍動した。

 「W杯に出た選手も見た選手も、おのおのがいろんなことを感じることができたんじゃないかなと思う。僕が何か特別に言動でとか、変に背負い込む必要はないのかなと思っている。ただ、世界に近づくためにやらないといけないことはたくさんあって、日本全国のバスケットボールを進化させたいと思っているみんなが、おのおのの立場でやっていくことだと思う。僕はしっかりと切り替えて、川崎で優勝するために、川崎にフォーカスして今シーズンを送りたい。代表の経験は武器として持っているけど、しっかり切り替えてやっていければと思います」

 篠山の原点は日大にある。「日本のトップで活躍したい」という夢をかなえるべく進学。プロチーム以上に整った練習設備に加え、食事の管理など腕を磨くための最適な環境があった。日大バスケ部の伝統として“自分たちで考える力を養う”という考え方がある。「どのようにメンバーの長所を活用し、相手チームの弱みを突くかを自分たちで模索する。勝つために考えるというところを先輩たちから教わった。戦術的にも大人というか、より計算されたバスケットボールを学んだ」。プロになった今でも、大学4年間で培った考え方は生きている。

 一方で大学生活は大きな分岐点だったと振り返る。「お酒も飲めるなど、さまざまな自由も出てきて大きく変化する。その中で、いかにバスケットボールに真摯(しんし)に打ち込めるかというのが大事」。バスケ界に限らず、社会に出るとOB、OGが大勢いることも強みの一つ。Bリーグには現役最年長の折茂武彦(49)=北海道=ら各チームの主力選手も多く活躍しており「交流を深められるというところが大きい」。誇りある母校が川崎のスポンサーになった。母校の名前が入ったユニホームで戦うことを「感謝感激。すごく特別なこと」と喜んだ。

 昨季のCS開幕前には日大の練習に参加。学生から大歓声が沸き起こり、自身への期待も肌で感じた。日本一を目指す部員たちと、ともに汗を流し「とても懐かしい感じがした」。原点に立ち返り、大きな刺激を受けた。日大の誇りを胸に、とどろきアリーナ開幕戦に挑む。

川崎ブレイブサンダース チームアラカルト

 ▽創立 1950年。18―19年シーズンから運営権が東芝からDeNAへ。

 ▽クラブ名の由来 力強くスピード感あふれるプレーで、最後まであきらめず勇敢に戦う戦士たちを意味する。

 ▽クラブカラー ブレイブレッド(常に勇敢に戦う姿勢)と、ヴィクトリーゴールド(勝利と誇り)

 ▽ホームタウン 神奈川県川崎市

 ▽ホームアリーナ 川崎市とどろきアリーナ

 ▽マスコット ロウル(カミナリがゴロゴロ鳴るという意味の英単語から)

 ◆篠山 竜青(しのやま・りゅうせい)1988年7月20日、神奈川県生まれ。31歳。2009年の日大3年時に全日本大学選手権で優勝し、優秀選手に選出。11年に東芝ブレイブサンダース(当時)に入団。06年U―18日本代表、09、11年U―24日本代表、16年から日本代表。W杯アジア2次予選からW杯まで代表主将を務めた。

スポーツ

NEWS読売・報知 モバイルGIANTS ショップ報知 マガジン報知 個人向け写真販売 ボーイズリーグ写真販売 法人向け紙面・写真使用申請