【有森裕子コラム】猛暑の世界陸上を東京五輪運営に生かして

ドーハ世界陸上の男子マラソンで29位に終わった川内優輝
ドーハ世界陸上の男子マラソンで29位に終わった川内優輝

 カタールのドーハで開催されていた世界陸上が閉幕しました。日本選手は初日に女子マラソンの谷本観月選手が7位入賞、男子競歩は20キロ、50キロとも金メダルを獲得するなど、特に長距離での活躍が目立ちました。

 一方で、大会中にずっと言われていたのが「殺人的な暑さ」でした。両競技とも夜中の実施だったにもかかわらず棄権者が続出。谷本選手が所属する天満屋・武冨豊監督の「もう二度とこんなレースは走らせたくない」という言葉が印象的でした。

 図らずして、日本選手がスピード対決よりも粘りで勝負するレースに強いことが分かったことで、同じく猛暑の中での実施となるであろう来年の東京五輪での活躍が楽しみになったとはいえます。ただ、それを手放しで喜んでいるわけにもいかないでしょう。

 もちろん、日程やコースなど、動かせないものはあるかと思います。しかし、過酷なレースが予想される中で選手が力を最大限発揮できるよう、運営側は何ができるかを考える必要がありますし、今回の世界陸上にはヒントもあったのではないでしょうか。

 国内では先月15日に東京五輪のマラソン代表を選考するMGC(マラソングランドチャンピオンシップ)が行われました。事前の盛り上げはもちろんですが、「1、2位が代表決定」という単純明快なルールが、従来のファン以外にもウケたのでしょう。陸上やマラソンにあまり興味がない私の知人も「面白かった」と興奮して話していました。

 MGCの成功、世界陸上の好成績と、陸上人気は着実に上向きになっていると思います。これが、来年の東京五輪につながり結実することを楽しみにしています。(女子マラソン五輪メダリスト)

社会

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