中居正広の1066文字に込められた野球愛

中居正広
中居正広

 先月下旬に突然、メールが届いた。マネジャーを通じて、中居正広から送られてきたコメントだ。

 「ショックショックショック! 嫌だ嫌だ嫌だ! 待って待って待ってよ」と子供が駄々をこねるように書き出された文章は、原稿用紙にして2枚半に及んだ。今季限りでの現役引退を表明した阿部慎之助捕手に向けたメッセージだ。

 自身、文章の中で「今、自分が3歳の子供だったらよかったのになぁ~と思ってしまいました」と、つづった。「慎之助のデビューから今までの19年間も一度も見ることもなくいれば、こんなにポッカリと穴が開くこともなかったじゃないかなぁ~とまで感じてしまいました」「年下の阿部選手に、時には手を叩き、時には万歳を、たまに溜め息をしたり…。年上の私を野球少年に戻してくれました」。阿部引退の一報で中居が受けた衝撃は、こちらの想像以上だった。

 その前日、別の取材で中居本人と話す機会があった。その日は朝から「阿部引退」のニュースが世間をにぎわせていた。16年シーズンから毎年、開幕直前にシーズン展望を語ってもらってきた中で、並々ならぬ“阿部愛”に触れてきた。引退についてのコメントを求めたが「本当なの? まだ本人が発表してないよね? まだ本人のコメントもないから…」と曇る表情に、引き下がるしかなかった。

 多忙を極める相手だけに、直接取材ができる機会は多くない。「正式発表の後には是非!」とお願いこそしたものの、難しいだろうとも考えていた。自身の番組や直接取材の場所以外で談話を発表することは、ほとんどない。それだけに異例でもあり、愛にあふれた、熱い思いのこもった1066文字を、とても貴重に受け止めた。

 今年は、16年シーズン以降で初めてリーグ優勝の喜びを語ってもらう機会にも恵まれた。優勝決定を目前にするタイミングで、ラジオ収録後に取材する予定だったが、前夜にマネジャーから2時間前倒しの連絡が来た。収録の押し巻きに影響されることはあるが、前日のスケジュール変更は、そうあることではない。取材先の札幌から慌てて駆けつけた。

 「ゴメンね、今日は鳥谷の試合があって。急に早めてもらったけど、ありがとう」。阪神の鳥谷敬選手は9月上旬、04年の入団から16年間プレーした球団を去ることになった。後に阪神がクライマックスシリーズ(CS)進出を果たすものの、その日は、縦じまのユニホームに袖を通して東京ドームでプレーする最後の日だった。

 17日には、プロ野球・ドラフト会議当日に3時間生放送されるTBS系「ドラフト緊急生特番!お母さんありがとう」(後7時)で8年連続となるMCを務める。新たなプロ野球選手の誕生に心躍らせる一方で「入団する人もいれば、それだけ去る人もいる」と、しみじみ語った。そのことを特に痛感した今シーズンだったのだろう。

 阪神は怒とうの今季初6連勝でシーズンを締めくくり、最終戦で劇的にCS進出を決めた。5日に開幕するDeNAとの第1ステージを突破すれば、再び鳥谷選手が、阿部選手を始めとする巨人が待ち受ける東京ドームのグラウンドを踏むことになる。

 阿部選手に向けたメッセージは「最後まで少しでも永く『慎之助~♪』と叫びたいものです。(巨人の)日本一まで声を枯らします」と締めくくられた。野球人への果てしないリスペクトを胸に、中居にとって忘れられない令和元年シーズンとなるはずだ。(記者コラム)

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