巨人担当カメラマンを驚かせた丸佳浩の美技…丸ポーズ、ツイスト打法よりも撮りがいあった

7月8日の阪神戦(甲子園)で8回2死一、二塁、代打・上本の中飛を好捕し、同点のピンチを摘んだ巨人・丸佳浩(カメラ・泉 貫太)
7月8日の阪神戦(甲子園)で8回2死一、二塁、代打・上本の中飛を好捕し、同点のピンチを摘んだ巨人・丸佳浩(カメラ・泉 貫太)
7月5日、DeNA戦(東京ドーム)6回無死一塁、神里和毅の中飛を好捕する巨人・丸佳浩(カメラ・泉 貫太)
7月5日、DeNA戦(東京ドーム)6回無死一塁、神里和毅の中飛を好捕する巨人・丸佳浩(カメラ・泉 貫太)

 巨人が5年ぶりのリーグ優勝を飾った。昨年11月末に巨人担当のカメラマンとなって以来、公式戦取材88試合目でのゴールインだった。担当1年目での優勝は幸運といえるものだったが、チームの今季最終成績が77勝64敗2分けの貯金13だったのに対し、私の戦績はというと、93試合を撮影して48勝43敗2分けの貯金5。勝利の女神ならぬ勝利のおじさんとはいかなかったようだ。

 今年1年の取材活動を通して何度もカメラマンである私を驚かせてくれたのが、新加入の丸佳浩選手だった。今や巨人のほとんどの選手がヘルメットに取り付けるようになったフェイスガードや、バットを振るときの「シュー」の掛け声。ついには原監督までが笑顔でやるようになった「丸ポーズ」など、昨年末の加入以来、丸が巨人にもたらしたもの、その影響力は計り知れないものがある。シーズン終盤の9月7日、神宮でのヤクルト戦途中から突然導入して2安打を放った「ツイスト打法」には、私も撮影中に「なんじゃこれは」と度肝抜かれた。しかし年間を通してチームを救い、何度も舌を巻いたのは、その守備力の高さだった。最初にその場面に遭遇したのは、2月24日に沖縄で行われた日本ハムとのオープン戦。丸は2回に清宮幸太郎の右中間へのホームラン性の大飛球を追って背走すると、そのままジャンプ。フェンスに激突しながらもキャッチするファインプレーを見せた。私はこのプレーを撮り逃した。写っていたのは、ボールをキャッチしフェンスの下に落ちた後。シャッターを切り始めるスタートが遅かった。自分の中に「丸では捕球できないだろう」という潜在意識があったからだ。撮れていれば紙面の頭を飾っていたであろう場面。血の気が引いた。撮影できていた他社の紙面記事をロッカーに張り付け、丸への認識を改めた。

 リベンジの機会が巡ってきたのは公式戦に入って4か月目の7月5日。東京ドームでのDeNA戦。6回無死一塁から中堅手である丸佳浩自身の頭上を越えようかという神里の打球に対し、背番号8は一直線に落下点に入るとジャンプ。フェンスに直撃し倒れこみながらも、打球はグラブに収まったままだった。これが6年連続ゴールデングラブ受賞の力か。カメラの画像を確認すると、落下点に入ってから飛んで打球をつかんで倒れこむまでの一部始終がすべて収まっていた。ジャンプし捕球する寸前の丸の背景には、東京ドームのセンター付近にある広告看板「守りの名手」の文字がくっきり入るラッキーもあった。レンズをセンターに振った瞬間に思ったことは「丸なら捕るはず」。2月の失敗が生かされた瞬間は、7月6日付三面の頭写真に採用された。

 「丸なら捕る」。この再認識が生かされたのは、この機会だけにとどまらなかった。7月9日の甲子園での阪神戦。1点リードしての8回2死一、二塁。上本のセンターへの打球に対し、逆シングルで打球に左手を伸ばしてスライデングキャッチ。同点のピンチを摘み取った場面を撮影できた。8月30日には雨の甲子園で再び魅せた。19時開始の試合の9回裏2死二塁。福留の浅い飛球に対して、水しぶきをあげながらのダイビングキャッチで試合終了。9回表には丸のこの試合2本目の本塁打も飛び出しており、いつもより1時間遅く始まった試合終盤の写真送信がめちゃくちゃ忙しかったことは今でも忘れられない。

 撮影していて思うのは、丸が打球の落下点に入るのがとにかく早いということ。私が打者の振りを見て、打球音を聞き「これは(スタンドへ)いったかな」と思う打球でも、レンズを外野へ振った瞬間にはもう落下点に丸がいて、写真としては「普通のセンターフライ」というシーンが何度もあった。広島時代から数えて「ひとり4連覇」を達成した裏には、ぎりぎりの場面で幾度も相手の長打をアウトに変えてきた丸の守備力があった。(記者コラム 写真部・泉 貫太)

7月8日の阪神戦(甲子園)で8回2死一、二塁、代打・上本の中飛を好捕し、同点のピンチを摘んだ巨人・丸佳浩(カメラ・泉 貫太)
7月5日、DeNA戦(東京ドーム)6回無死一塁、神里和毅の中飛を好捕する巨人・丸佳浩(カメラ・泉 貫太)
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