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テコンドー協会内紛で選手が告白「夜道が怖い」

スポーツ報知
テコンドー協会の評議会を途中退席し、取材に応じた江畑秀範

 強化方針などを巡って内紛が起きている全日本テコンドー協会が1日、都内で金原昇会長をはじめとした幹部、選手、選手の指導者などが集まって協議会を開催したが、途中退席者も出るなど実質的な物別れに終わった。

 内紛は、9月の強化合宿をトップ選手の大半がボイコットして表面化した。選手側は6月の時点で、合宿や指導体制についての改善要望を「意見書」として提出。協会は9月18日に「回答書」を公式サイトに掲載して事態収拾に乗り出していた。

 だが、その後、協会は世界テコンドー連盟(WT)に「選手に不平不満はなく、困惑もない」などと報告。それがこの日に発覚したため、事態はさらに悪化の一途をたどった。

 出席した6選手の1人で、中心になって意見書を取りまとめた江畑秀範(27)=スチールエンジ=は、あまりの不毛さに退席。「報告はウソ。協会に対する信頼はない。選手のことを全く考えていない」とバッサリ切り捨てた。

 3年ほど前から意見は伝えていたが、スルーされていた。にも関わらず「選手が意見を言わないからここまでの大きい問題になった」と責任転嫁される始末だったという。一方の協会側はWTへの報告に関し「回答書への不満がなかったということ」などと苦しい言い訳に終始した。

 金原会長は今回の問題の原因について「コミュニケーション不足」と断言。「(会議は)非常に有意義だった。選手たちの要望は真摯に受け止める」とし、8日の理事会で強化体制も含め改善策を話し合う方針を示した。以前から独裁の指摘もあるが「刺激的な言葉だが、現状の体制では独裁しようがない。強面? 顔のつくりは仕方ないですよ!」と反論した。

 また、シドニー五輪銅メダリストの岡本依子副会長(48)は、WTへの報告書について「どうしてウソをついているか分からない。私自身胸が痛い。選手には申し訳ない」と涙をにじませ、「理事会を解散するくらいでもいい。責任をとって辞めるくらいしかできない」と話した。

 江畑は今回の問題で除名処分さえ覚悟しているという。「夜道が怖い」と決死の思いを口にした。

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