星稜・奥川「幸せ者だな」高校ラス投に3500人行列

4回、星稜・奥川(右から2人目)がマウンドを降りる時に、ナインが円陣を作って全員で空を指さした(カメラ・泉 貫太)
4回、星稜・奥川(右から2人目)がマウンドを降りる時に、ナインが円陣を作って全員で空を指さした(カメラ・泉 貫太)

◆茨城国体 高校野球硬式 ▽1回戦 智弁和歌山3―1星稜(29日・ノーブルホームスタジアム水戸)

 星稜(石川)のドラフト1位候補・奥川恭伸投手(3年)がプロ志望を表明した。両校が木製バットを使用した開幕戦の智弁和歌山戦に先発し、最速150キロで4回途中5奪三振も6安打2失点で敗退。観衆1万人超で入場規制が敷かれるほどの奥川フィーバーで、高校最後の公式戦が終幕。入札で競合確実の右腕は27日にプロ志望届を提出していたことを明かし、「総合力の高い投手になりたい」と将来像を描いた。

 一塁側ベンチに退く奥川に、万雷の拍手が降り注いだ。「感慨深いものがあった。幸せ者だなと思います」。先発して61球を投げ、3回2/3を6安打2失点。集まった内野陣とタッチを交わし、高校最後の公式戦マウンドに別れを告げた。「自分の意思で挑戦したいと決めた」。試合後にプロ入りの決意を明言した。

 予行演習のような乾いた木の音が響いた。夏の甲子園で延長14回の死闘を演じた智弁和歌山との再戦で、互いに申し合わせ、木製バットを使用。3回に3安打1死球で2点を献上した。4回2死で遊撃内野安打を許し、降板。「金属よりも安打になりづらいと思うので、金属だと、もっとやられてたんだろうと思います」。U―18W杯のカナダ戦以来、約3週間ぶりの登板に「練習不足です」。それでも最速150キロで5奪三振。2回の打席では右前安打。「木製バットは打つ方が楽しかった」と笑った。

 秋を迎え、奥川フィーバーは収まるどころか、さらに過熱した。大会実行委員会事務局によると、観客の球場一番乗りは前日(28日)の午前11時。開門前に約3500人の行列ができ、予定を2時間前倒し、午前5時45分に券売、開場。1万400人が来場し、外野芝生席も立ち見で、3回終了時から一部入場規制された。

 中日、阪神、ロッテのスカウトも視察。最多4人態勢の中日で席取りした小山スカウトは「午前5時に車で着いたけど、駐車場は満車。臨時駐車場に停車し、入場券を買うのに1時間半並んだ」。松永編成部長は労をねぎらい、「ここまで全国区の人気はそうない。甲子園で勝ち、人気が出た。それも魅力」と語った。

 右腕は27日にプロ志望届を提出したといい、近日中に日本高野連のホームページで公開される。「バランスのいい、総合力の高い投手になりたい」。バスで球場を出る際も、取り囲んだ数百人に手を振られ、新たなステージに旅立った。(山崎 智)

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