増税前駆け込み商戦攻略法を荻原博子氏が教えます「何もしないに限ります」

消費税増税対策をレクチャーした荻原博子さん
消費税増税対策をレクチャーした荻原博子さん

 消費税率が10月1日に8%から10%にアップする。スポーツ報知では「報知式 増税講座」と題して、増税直前だからこそ知りたい、確認したい情報を紹介する。最初は、終盤戦を迎えた駆け込み商戦に、どう対応すれば家計で損をしないのか。経済ジャーナリストの荻原博子氏(65)に聞くと、意外な答えが返ってきた…。(樋口 智城)

 増税でどう行動すればいいのか、ぜひともご教授を! そう切り出すと、荻原氏の口から飛び出したのは意外なひと言。

 「何もしないに限ります」

 え? 税率上がるから、何か手を打たないといけないんじゃないですか?

 「いえいえ、焦ることはないんですよ。まず駆け込み買いは基本的に必要ありません。理由は、前回の5%→8%の増税時と違って、事実上、増税関連セールが認められるようになったからです」

 「消費税還元セール」などをうたった値引きや宣伝・広告は禁止されているものの、「2%値下げ」といった、増税に関連付けない値引きセールは認められている。ちなみに5%から8%に上がった2014年4月の増税時は、基本的に禁止だった。

 「当時は、駆け込み需要の反動減が生じて景気低迷の長期化につながった。その反省で、締め付けを事実上緩めたんですよ。だから、今回は増税後にどの店も競ってセールを始めると予想されるので、増税分の2%を上回る割引が期待できるのです」

 モトが取れるセールがあれば、焦る必要はないってことですね。じゃあ、もっと大きな買い物については…?

 「例えば自動車は、10月1日から自動車取得税が廃止され、更にエコ性能によって減税されるので、値引きが期待されるボーナス商戦や決算期(国内大手は3月)を狙う方法がおすすめ。家電も、そもそも新モデルが出たあと旧モデルが大幅値下げした時こそ買い時なので、増税前にわざわざ買う理由はあまりない。住宅は2020年五輪後に予想される価格下落を狙った方が、よっぽど効果的です」

 なるほど。増税の損益を吹っ飛ばすような効率的な買い方があるわけですね。

 「焦って買うのはむしろマイナス。駆け込み買いして、購入したものを忘れてしまった経験、ないですか? 棚の中から缶詰や乾物、腐った食べ物が出て来て困るとか。お金はよく考えて使うことが重要なのです。さらに(対象店舗での)キャッシュレス払いならポイント還元で購入額の最大5%が返ってきますが、お金を使う実感が薄いことが危険。使い過ぎ防止に、月の上限を決めて自分でチャージする方法を選ぶべきですね」

 さらに荻原さん、増税「10%」というキリのいい税率にも注目している。

 「例えば21万9800円のテレビを買うとして、消費税8%だといくらが税分になる分からないでしょ? 10%ならゼロを1つ取るだけなので『ああ、税金で2万1980円かかるのか』ってすぐ分かる」

 分かりやすくなって、すぐに損得計算ができることこそ、数少ない今回の増税のメリットなのかもしれない。

 ◆荻原 博子(おぎわら・ひろこ)1954年5月27日、長野県生まれ。65歳。明大卒。経済事務所勤務を経て82年、27歳の時にルポライター転身を目指し独立。消費者の視点に立つ経済解説をライフワークに、100冊以上の著書、テレビコメンテーターなど多岐に活躍中。

社会

NEWS読売・報知 モバイルGIANTS ショップ報知 バックナンバー申し込み 個人向け写真販売 ボーイズリーグ写真販売 法人向け紙面・写真使用申請