橋岡優輝、日本のお家芸・走り幅跳び復活導く 森長コーチ「決勝の舞台でどう戦えるかが大事」

橋岡優輝
橋岡優輝

 【ドーハ(カタール)26日=細野友司】世界陸上は27日に当地で開幕する。初日に日本勢の先陣を切って登場する男子走り幅跳びの橋岡優輝(20)=日大=は、日本勢初の8位入賞以上が期待される。指導する元日本記録保持者の森長正樹コーチ(47)が、このほど単独インタビューに応じ、才能の源を明かした。男子50キロ競歩代表は会見し、鈴木雄介(31)=富士通=は暑熱対策のキーワードに“自重”を挙げた。

 満を持して臨む初の世陸。森長コーチは、今大会を20年東京五輪に向けた重要なステップと位置づけている。

 「もちろんメダルは欲しいですけど、来年のことを考えたら今年は確実に予選を通過して、決勝の舞台でどう戦えるかが大事。(同会場だった)4月のアジア選手権で(8メートル)22を出して、気分良く臨めるとは思いますので」

 初めて見たのは八王子高2年時。00年シドニー五輪走り幅跳び代表で同校の渡辺大輔監督に、「いいものを持っている」と聞かされていたが素質に目を見張った。

 「バネがあって、体の節々や腱(けん)が強い選手だと感じました。筋力の強い選手は多くいますが、普通は踏み切った時にアキレス腱や足首、膝周りが衝撃に負けて、空中に跳び上がるまでに関節が動いてしまう。それが全くなく、ほとんど動かず跳び出していた。絶対強くなる、進学の時にチャンスがあれば(日大へ)ぜひ、という話をしました」

 17年に日大進学。社会人以降も見通し、4年間は基礎体力向上を主眼に据えた。

 「大学を出てから10年間は競技を続けられる選手。より専門的な技術に挑むにあたっては基礎体力が絶対必要と考えました。跳躍は、力の伝達と1歩の進み具合の力強さがカギを握る。瞬発力を養いながら、脚や腹筋・背筋といった上半身が連動するように4キロの砲丸を投げる練習もやります」

 “感覚の鋭さ”も、競技力向上には見逃せない。

 「普通は大学生だとミスの解決方法は明確に分からず、コーチに言われるがままという選手が多い。彼の場合は、ヒントや解決の選択肢を与えると、『それならこの感覚で直せます』と言います。まるで、ベテランの域に達した選手と話しているような感じです」

 走り幅跳びは、かつて日本のお家芸。32年ロス五輪の南部忠平、36年ベルリン五輪の田島直人が銅メダルに輝いた。今大会の日本勢は全3選手が8メートル20以上の自己記録を持つ。

 「日本人が世界大会で複数決勝に残り、メダルを争うようなところまでレベルを上げるチャンス。橋岡はエースとして、引っ張らなければいけないと思います」

 ◆森長 正樹(もりなが・まさき)1972年3月27日、47歳。日大在学中の92年に日本新記録(当時)の8メートル25をマーク。同年バルセロナ五輪代表。97年アテネ世界陸上は、日本勢歴代最高の9位に入った。00年シドニー五輪にも出場。08年に引退。現在は母校・日大の跳躍コーチ、日本陸連五輪強化コーチを務める。

 ◆橋岡 優輝(はしおか・ゆうき)1999年1月23日、茨城・つくば市生まれ。20歳。さいたま市立岸中で本格的に陸上を始め、1年時は100メートル、2年時からは障害や混成種目。八王子高1年から走り幅跳びに専念。18年U20世界陸上、19年アジア選手権優勝。8月に出した自己記録8メートル32は日本歴代2位。183センチ、76キロ。家族は両親。

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